Second Life 新世界的ものづくりのススメ--その23:スクリプトの構造--テクスチャアニメーション4 - (page 4)

大槻透世二(サイバーアドベンチャー株式会社)

2007-08-30 08:00

 さらに、これら定数は「組み込み定数」と呼ばれる。この「組み込み定数」というのは、前回最後に出てきた言葉だ。

 この「組み込み(ビルトイン)」というのは、「(Linden Lab側で)サーバにあらかじめ組み込んで用意している」という意味を持つ。つまり、自分で作る(定義する)必要のない定数となる。1や2の部分で青い大文字で表記された文字列が組み込み定数を意味している。

 ちなみに、「llSetTexureAnim( )」も、「組み込み関数」と呼ばれている。C言語、JAVA、PHP、そしてLSL(リンデン・スクリプティング・ラングウェッジ)において、便利な関数がいろいろあらかじめ用意されているのだが、それらを「組み込み関数」という(ただ単に「関数」とだけ呼ぶ場合も多い)。

 これに対して、あらかじめ用意されていない、つまり、自分で作る(定義する)必要がある定数、変数、関数などが存在する。

 2の部分にある、「modes」「side」「size_x」「size_y」「start」「length」「rate」などは、組み込まれているものではなく、この「state_entry( )」の中で「自分で定義した」変数となる。

スクリプト2

 ここで、「integer modes = ANIM_ON | SMOOTH | LOOP ;」という行を例にとり、その意味を見てみよう。この部分は、次のような意味を持つ。

1. 「integer」(整数)という型を「modes」という変数に指定。

各部の意味

2. 「modes」という変数へ「ANIM_ON | SMOOTH | LOOP」という組み込み定数を代入。

各部の意味

3. 「 ; 」(セミコロン)を最後に付けて、「文末ですよ」とコンピュータに知らせる。

各部の意味

 さらに「side」「size_x」「size_y」「start」「length」「rate」などの変数も自分で定義して、後の「llSetTexureAnim( )」に代入している。

 なるほど、こうすれば、組み込みとして用意されていない変数や定数などを自分で作って使用できる。同様に、組み込み関数では使いにくい場合、使いやすい関数を自分で作ることができる。

 さて、今回は、「変数」と「定数」、そして「組み込み」の意味を学んだ。次回はいよいよ川や滝などを作りながらテクスチャアニメーションの応用方法についてみてみよう。それでは、次回もお楽しみに。

大槻透世二氏
大槻透世二サイバーアドベンチャー(株)
代表取締役社長/CEO

デジタルハリウッド大学院
次世代インターフェース研究室 研究員
Second Life研究室 研究員/プロデューサー
Linden社推薦 Second Lifeセミナー講師

東北大学心理学専攻卒業。1年間のLA留学を経て、ソリッドレイ研究所でバーチャルリアリティのシステムインテグレーション、立体映像システム構築、HMDシステム構築などを経験。IT系コンサルティング会社を経て、デジタルハリウッド大学大学院コンテンツマネジメント修士課程修了(MCA)。その後、Linden Lab本社にてSecond Lifeカリキュラムのトレーニングを受ける。現在デジタルハリウッドにて「Second Life」セミナーを開催。また、バーチャルリアリティ、メタバース関連のシステム開発/プロデュースを行うサイバーアドベンチャー(株)を設立し、そのCEO職に就いている。

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