デルは9月11日、iSCSIストレージ製品の「PowerVault MD3000i」を発表した。同製品は、2006年に発表した「MD3000」や「MD1000」と同じ筐体を採用し、ストレージブリッジベイ部分にiSCSI接続コントローラを搭載している。
Dell ストレージプロダクトグループ シニアプロダクトマネージャーのHoward Shoobe氏は、ファイバチャネル(FC)とiSCSIストレージとを比較し、「FCはインフラコストも大きく、メンテナンスも大変だ。一方、イーサネットを使ったiSCSIであれば、インフラもほぼすべての企業がすでに持っており、メンテナンスができる人も多い」と説明する。「標準的な技術を使うことでコストが抑えられる。FCと比べ、iSCSIは1ホストにつき1400ドルのコスト削減が可能だ」と同氏は言い、「数年後にはiSCSI接続がFC接続をしのぐという調査もある」と述べる。
中でもMD3000iは、「シンプルさ、高性能さ、そして安価であることにフォーカスした製品だ」とShoobe氏。「イーサネットとiSCSIでSANをシンプルに構築でき、ストレージ統合が可能だ。また、最大16ホストに対応し、高可用性を確保している。MD3000iは、例えばこのクラスのストレージにはないようなスナップショットやボリュームコピー機能などもオプションで用意している」とShoobe氏はアピールする。
なお、デルは、ハイエンドクラスのストレージではEMCと提携している。今回発表した製品は、中小規模のストレージ統合や、部門、ワークグループ、リモート向けのSAN環境をターゲットとしており、「Dell/EMC製品とは競合しない」とShoobe氏は説明する。同氏は「EMCとの共同ブランドで提供しているのは、高価格帯の製品で機能もより豊富なものだ。EMCとのパートナーシップは非常に強い。今後もこの関係は続く」と話した。
MD3000iの価格は71万7000円(税別)から。同日より販売開始する。