--例えば?
家庭用フェムトセルを使えば料金が下がるっていうのはどうだろう?携帯電話事業者はこの計画に参加するすべての加入者に、他の割引プランとか、見返りになるようなサービスをするはずだよ。
--会社の記者発表みたいだね。それぐらいで結構。
これは失礼。
--利用者はどれくらいになるんだろう?
ABI Researchが2006年に予測した数字では、2011年までに、フェムトセル製品のユーザーは1億200万人、アクセスポイントは世界全体で3200万カ所になるそうだ。まあ、この数字は調査会社によって多かったり少なかったりするけどね。
--最初に導入中なのはどの会社?
数百の携帯電話事業者がいっせいにフェムトセルについて語る、といった状況ではないね。O2などの企業は、実施中のいろいろなピコセルの実証実験について公表しているけど、これまで最も明確な計画が具体化してきたのはアメリカだ。Sprint Airwaveはデンバー地域とインディアナポリス地域で事業を展開中で、ナッシュビルでももうすぐ利用できるようになる。使っているのはSamsung製の機器だ。ライバルのT-Mobileもよく似たサービスを提供しているけど、UMA技術を使っているからデュアルモード携帯端末についての話になる。業界大手のAT&Tも計画中だ。
--落とし穴とかはないの?
携帯電話事業者にとってかい?うん、大掛かりな宣伝がまだあまり行われていない理由はありそうだね。課題を全部挙げることはできないけれど、干渉、セキュリティ(携帯電話網は一般的にかなり安全だけど家庭のインターネット接続はそうじゃない)、フェムトセル間の移動(意図的な移動または偶然の移動)、料金体系(フェムトセルの通話は無料にするか?)、サービス品質といったあたりに問題がある。
--じゃあ、少しばかりの生みの苦しみだけなんだ。
これで、名前についての最初の質問に戻ることもできる。「家庭用基地局」という名前が一般に広まり始めると、計画が進展する前に反発の火の手が上がるおそれがある。この技術に関する名前のほとんどに、以前は「基地局」という表現が含まれていたんだ。
--誰かが「フェムトセル」という名前を作ったのはラッキーだったね。
そういうこと。
--詳しい情報はどこにあるの?
2007年に業界団体としてFemto Forumという組織が設立されたばかりで、公式の説明が発表されているから、http://www.femtoforum.org/を見てごらん。まあフェムトセルという言葉はこれからもっと耳にするようになるだろうけどね。