マイクロソフト、中古再生PC用のWindowsの新バージョンを提供へ

文:Ina Fried(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル

2007-11-12 11:38

UPDATE Microsoftから米国時間11月9日に発表された新しいプログラムでは、再生PCを販売する大手企業が、Microsoftにその代価を支払うという条件で、中古マシンにインストールする新しいWindowsのブランドを取得できる。

 PC再生業者に「Windows XP」の特別版を提供するというこの計画は、廃棄される運命のPCの数を減らす一助になるかも知れない。しかし、これは多くの場合、同一のPCにWindowsを搭載するためにMicrosoftが2度の代価を受けることを意味する。

 Windowsのオリジナル版を使用して中古再生PCを適切に再販する場合、Microsoftは再販業者に対してPCに付属していた「Certificate of Authenticity(COA)」またはリストアディスクを使用するように要求する。だが、これらのアイテムは途中でなくなってしまうことが多いからというのが、このたびのプログラムが提供される理由である。企業も製造業者からコピーを入手しようと試みることができるが、これは困難かつ時間のかかるプロセスであり、1カ月に何千台もの再生PCを扱う大手の再生業者では割に合わない。

 MicrosoftはWindows XPの特別版の価格については発表せず、コンピュータ製造業者が新しいマシンにWindowsを搭載するのに支払う金額よりはいくらか安くなるだろうと述べるにとどめている。

 Microsoftには、PC再生業者が慈善事業や教育機関向けのマシンにWindowsを搭載できる小規模なプログラムも存在するが、今回の新しいプログラムは汎用目的で再販される、より広範囲なPC市場に対応するものである。

 Microsoftにとっては、中古再生PC市場はもっと注目する価値のある領域である。同社は2004年に調査を実施し、年間2000万台のコンピュータが正規の中古再生事業を通じて販売されていることが判明した。今日、同社はその数が2800万台に成長しており中古再生市場は新規PCの売上高の成長を上回る可能性が高いと予測している。

 「PCのスペックが向上し、各国の環境規制が厳しくなるにつれて、規模と重要性の両方の面で成長してきた市場区分の1つである」とMicrosoftでシニアプロダクトマネージャーを務めるHani Shakeel氏は述べる。

 今日、多くのPC再生業者は、厄介な問題の多いライセンス供与の制限事項に対処するよりも、PCにOSを付けずに「はだか」のままで販売している。買った後はLinuxをインストールしようが、Windowsの正規のパッケージ版をインストールしようが、海賊版に走ろうが、購入者の自由というわけだ。

 Microsoftは協力してくれる2社の大手中古再生PC販売業者とともにプログラムを開始したが、さらに多くの北米の再生業者や世界中のコンピュータ製造業者とも契約に至りたいと望んでいる。PC製造業者はすでに、自社で製造したPCの再生版は自由に販売して良いという権利を有しているが、新しいプログラムを利用すれば各種の回収プログラムから集めた他社ブランドのPCも再販売できるようになる。

 再利用をめぐる厄介な問題や懸念のためにますます多くの使用可能なPCが無駄になっていることから、もっと多くのPCを再利用するべきだというアイデアについては誰も異論のないところだ。しかし、同一のPCでWindowsを使用するのにMicrosoftに2度も金を払わないで済む方法があるはずだと筆者には思える。読者はどのように考えるだろうか。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

  5. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]