Red Hatにとって状況は悪くなっている。最初はOracleが「Red Hat Enterprise Linux」の独自バージョンを顧客に宣伝していたし、現在ではSAPがNovellの「SUSE Linux」を優先プラットフォームとして推奨している。
SAPは、スタックの構成要素となっているSUSEを優先Linuxプラットフォームとして推奨しており、NovellはSUSE上でSAPアプリケーションを導入するユーザーにとっての防御の第1線となり始めるだろう(後略)。
Novellは、「SUSE Linux Enterprise Server Priority Support」という名称のSAPとの保守サポート提携によってアプリケーションとOSの両方を扱う予定である。
このプログラムは、ミッションクリティカルな業務処理のコストパフォーマンスを向上することを重視しており、アプリケーション設定のためのボリュームディスカウントを含んでいる。また、今後90日以内に購入した顧客にはさらにディスカウントが提供される。
ドイツ生まれのSAPがドイツ生まれのSUSEを選択するというのはそれほど驚くべきことではないが、Red Hatにとっては最悪のタイミングであり、Microsoftとの提携がLinux事業全般にとって「ハロー効果」をもたらしたと主張しているNovellにとってはまたとないタイミングである。Ubuntuが企業からより多くの信頼を集め、NovellのLinux部門の売上高が69%増となる一方、Red HatはJBossで四苦八苦しているようだ。Red Hatにとって状況は悪くなっている。
それにもかかわらずRed Hatは間もなく好調な第3四半期の決算を報告すると見られる(本稿の原文執筆後にRed Hatが発表した決算の記事はこちら)。ひょっとすると顧客の意見が今後さらに重視されるようになるのだろうか。時間がたてばわかることだが、Novellは最近のLinuxでの成功によって目標に向かって意欲的に邁進しているように見える。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ