「おまえの頭が固いのは、体が硬いからだ!」上司からこう叱られたことがある。「そんなアホな」と思いつつ、ずっと気になっていた言葉だ。どーゆー訳か10年経って「あの人が意味の無いことを言う筈がない」と思えてきた。ちょうど融通の利かない自分の固い頭に悩んでいた時期だった。
試しに立ったまま膝を伸ばして、両手が床に届くかやってみた。すると伸ばした指先が膝のちょっと下までしか届かない。どこもかしこも、ぜんぜん曲がらないし、ぜんぜん伸びない。ありえないかたさだ。同じ様に頭も固くなっているかと考えたら、いてもたっても居られなくなってきた。ストレッチが日課になった。初めはまるで自分の体じゃないみたいだった。ずいぶん長い間、ほったらかしだった。ツケを精算したいと思った。