Symantecの役員が、iPodやTreoなどの新しいデバイスは将来新しいセキュリティ技術群を必要とし、ビジネスモデルも異なってくるかも知れないと発言した。
Symantecの最高業務執行責任者(COO)であるEnrique Salem氏は、アナリストとの電話会見で次のように述べた。
ラップトップやPCではなく、例えばiPodやTreoなどの異なるフォームファクターを持つデバイスへの移行について考えてみると、異なる技術の組み合わせが必要になり、また率直に言って、われわれは異なるビジネスモデルが必要になるかも知れないと考えられるため、最近の配置転換では、投資的な観点からトレードオフを取らなくてはならない場合に、対応のためにわれわれの事業の高収益で利益率の高い部分を犠牲にしないよう、社内でどのように異なる技術のパッケージングと異なるビジネスモデルを育成できるかということを熟慮した。
これは面白い論点だ。Symantecは基本的に、PCやラップトップに対しては非常にうまく働いている同社のパッケージングアプローチが、それらの今後攻撃の対象になることが多くなるだろうデバイスにはうまく働かないかも知れないと述べているわけだ。
Salem氏はこの出発点以上のことは詳しく述べなかったが、Symantecがこの技術をどのように捉えているかはかなり明らかであり、今後この技術を獲得すると思われる。
Symantecの最高経営責任者(CEO)であるJohn Thompson氏は、セキュリティ大手企業である同社は、今後もVontuとAltirisの買収と同じ方針で買収を行っていくと発言している。
Thompson氏はSymantecの収支報告でコメントを行っている。同社は第3四半期においてすべての部門で好調だった。同社は同四半期に1株あたり15セントの利益にあたる1億3200万ドルの純利益を上げ、売上高は15億3000万ドルであり、3月締めの第4四半期の見通しを引き上げたと報告した。
Thompson氏は次のように述べている。
AltirisとVontuの早い時期からの製品開発と販売における相乗効果がは力強いものであり、これらはわれわれの新しい成長への取り組みを下支えする助けとなった。私の考えでは、このような種類の買収は、Symantecの総売上に新しい成長をもたらし、われわれの事業利益率を改善するものでなくてはならない。われわれは今後も収益成長率と純利益を高める買収の可能性を探っていく予定だ。それに加え、AltirisとVontuのように、それらの買収はすばらしい技術と顧客との強い関係を持った高度に集中したチームを加えることになるだろう。
その一方で、同社は新しく生まれてくる製品ラインに集中できるよう改組を行っている。例えばそのような製品には同社のソフトウェアおよびサービスプラットフォームであるSymantec Protection Networkなどがある。
私の直感では、Symantecは企業アプリケーションにおけるOracleのような、セキュリティソフトウェアの企業を合併していく立場になる可能性がある。Symantecの場合は、途中で裾を巻き込んでいくように買収していく企業を選ぶことになるだろう。ここで問題なのは、Symantecが加えるとよい小規模セキュリティ企業はどのようなものかということだ。明らかに、デバイスを目標に据えたSaaS企業などはいい選択になるだろう。
その他にも、以下のようなコメントがあった。
- Norton 360はSymantecの今回の消費者向け販売の1/4を占めている。
- Symantec End Point Protection 11は「堅調なスタートを切った。」
- 第3四半期の企業向け事業では、Symantecは30万ドル以上の契約を554件獲得し、前年比で35%増となった。同社はまた、100万ドル以上の契約を127件獲得した。
- Thompson氏はMcAfeeなどの競合他社への顧客流出を食い止めたと述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ