L・トーバルズ氏:「Linuxはグリーン化に向け準備完了」

文:Munir Kotadia(Special to CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2008-02-01 17:20

 Linuxの生みの親であるLinus Torvalds氏は、Linuxオペレーティングシステム(OS)のグリーン化に必要なインフラやツールの環境が整っていると語った。同氏は今週、オーストラリアのメルボルンで開催の同国最大のLinuxカンファレンス「linux.conf.au」に出席した。

 Torvalds氏は、同カンファレンスで行われたインタビューの中で、Linuxは消費電力管理ツールやエネルギー診断ツールで後れを取っていると認めた。

 「2〜3年前、われわれは(グリーン分野で)かなり遅れを取っており、インフラを構築するだけで相当の時間を要した。しかし、やっとその作業の大半が完了した」(Torvalds氏)

 「しかし、これで終わりというわけではない。ようやくインフラが揃い(中略)消費電力を測定し、消費電力の増加とその理由を知らせるためのツールも揃った。これは特に重要だ。かつて、その点はブラックボックスの状態だった」(Torvalds氏)

LinusがいてもいなくてもLinuxは安泰

 またTorvalds氏はLinuxの将来についても触れ、カーネルは安定しており、カーネルの保守に貢献している人々のコミュニティーもカーネルの安定性を維持しようとしていることは喜ばしいことだ、と語った。

 「われわれは依然として、特に新たなハードウェアについて、多くの事に取り組んでいる。しかし、全体として、基本事項の多くはその中に含まれていると考える。現在、われわれが取り組んでいるのは、保全性の向上とコードの改善だ。コードを改善することにより、機能の追加がより簡単に行えるようになる」(Torvalds氏)

 また引退について質問されると、Torvalds氏は、今はそのつもりはないと答えた。また、仮に自分が引退したとしても、Linuxには強力なサポートコミュニティーがあるので、Linuxユーザーたちは「気付かないだろう」と語った。

 「(引退後についての)質問が出たが、その点については全く心配していない。私の役割を引き継げる人はほかに沢山いる。彼らは私ほどうまく作業をこなせないと思いたいが、だからと言って(Linuxが)消えたり、困難な状況に陥るということはない」(Torvalds氏)

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ChatGPTに関連する詐欺が大幅に増加、パロアルトの調査結果に見るマルウェアの現状

  2. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  3. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  4. セキュリティ

    いま製造業がランサムウェアに狙われている!その被害の実態と実施すべき対策について知る

  5. セキュリティ

    ランサムウェア攻撃に狙われる医療機関、今すぐ実践すべきセキュリティ対策とは?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]