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Vistaのシステム要件決定の背後に見えるインテルの影(後半) - (page 2)

文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:矢倉美登里、大熊あつ子、吉武稔夫、高森郁哉

2008-03-04 16:06

 その後、MicrosoftのMike Ybarra氏は、Allchin氏あての私的な電子メールの中で、この件に介入して決定を覆すよう懇願している。「Jim、私はこの件に腹を立てているし、この決定は誤りだと思う。われわれはIntelの要求に屈しようとしている。この1年半、ユーザーインターフェース体験を向上させるために懸命に働いてきたのに、それをあきらめようとしているのだ」

 Allchin氏は、返信の文面ではYbarra氏の意見に賛成したようだが、運命に従ったらしい。

 Allchin氏はYbarra氏にこう書いた。「これは失敗かもしれない。私は関与しなかったので、今になって介入してすべてを覆すのは難しい。だが、Vista Capableを『古い』タイプのハードウェアに関連付けるだけならば、われわれはこの困難な状況をどうにか乗り切れるかもしれない」

 こうして、Microsoftの従業員とパートナーが予想したとおり、混乱が始まった。Microsoftの一部のマーケティングチームは、さらに古い865チップセットでもVistaロゴプログラムの要件を満たすと言い始めたが、この意見は封じられた。だが、要件からWDDM対応が外れた時点で、混乱の原因は明白だった。本質的に、Windows XPを容易に実行できる比較的新しいマシンならどれでも、Windows Vista Home Basicを実行できるからだ。

 Anantha Kancheria氏は2006年3月、865チップセットに関する議論の中で、Rajesh Srinivasan氏あてに皮肉交じりにこう書いている。

 「capable(可能な)という語に対する今日の客観的基準に照らすなら、ジャンク品にも資格がある(笑)。だから、その考えに従えば、865にも資格があるはずだ。われわれがそれを許容すれば、Vistaの顧客にとってはひどい悲劇だろうけど。あなたがそれを防ぐのをどうやって助けたらいいのか、私には分からない」

 865チップセットは結局プログラムから除外されたが、それでも915は許容された。その結果、915チップセットを搭載したPCがWindows Vista Capableマシンとして販売され、一方945またはそれ以上のチップセットを搭載するマシンは「Vista Premium Ready」という名目で販売されることになった。そして、予想どおり混乱が起こり、Microsoftの幹部や取締役でさえもこの「わな」にはまった。

 Microsoft Office部門の前開発責任者で現在はWindowsおよびWindows Live部門の開発責任者を務めるSteve Sinofsky氏は、2006年7月に同社のBrad Goldberg氏あてに電子メールを送り、「Vista Ready」という名目だと思ってDellのノートPC「Latitude」を購入したが、実際にはVistaを稼働できる十分なグラフィックスハードウェアが入っていなかったことについて問い合わせた。

 当時Windowsの製品管理バイスプレジデントを務めていたGoldberg氏はこう説明した。「Windows Vista CapableのPCは、一部Aeroが使えるものもあるが、使えないものもある。われわれは暫定的に、OEM業者が『Premium Ready』とうたって販売できるマーケティング区分を作った。Premium ReadyのPCならどれでも、Aeroを実行できる」

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