設定しておいたタイミングになる前にインターバルタイマが動作した状態であるというメッセージ

OSSメッセージペディア

2008-03-10 15:00

Oops: timer tick before it's due (itc=itc_value,itm=itm_value)

対処

カーネルの修正情報を確認して同様の問題が修正されていないかを確認する。

説明

設定しておいたタイミングになる前にインターバルタイマが動作した状態(ITC<=ITM)となっている。 (ITCの値:itc_value, ITMの値: itm_value)

IA-64プロセッサは、クロック入力に対応してカウントアップされるITCの値が、あらかじめITMに設定された値に達するとインターバルタイマ割り込みを発生させる。このインターバルタイマ割り込みの延長で呼ばれるハンドラ関数 (timer_interrupt())は、その内部でプロセッサから現在のITCを取得してITMの値と比較する。ここでインターバルタイマ割り込みの発生時点ではITC>=ITMが成立しているはずであり、その後ハンドラ関数内でいくつかの命令を実行したあとに実行される上記の比較時点では ITCの値が増大しているのでITC>ITMが成立すべきであるが、これが成立していない(ITC<=ITM)場合に本メッセージが出力される。

本メッセージが出力されるのは「設定したタイミング(ITC==ITM)に達していない時点(ITC<ITM)でインターバルタイマ割り込みが発生してハンドラ関数が呼ばれた」ような状態であり、これはカーネルが想定していない事態であるためメッセージテキストに”Oops”という文字列が含まれるが、一般のkernel oopsとは異なりpanicすることはない。本メッセージが出力されてもインターバルタイマは動作を継続するが、カーネルのインターバルタイマ処理に問題(*1)が発生していることが疑われる状態であり、原因を究明して対処しない限り、インターバルタイマの延長で動作するカーネルの各種処理が、正しいタイミングで期待どおりに実行されないおそれがある。

  • (*1) たとえばITCの値がITMに設定された値に達してからハンドラ関数が呼ばれるまでの合間にカーネルがITC/ITMの値を不正に書き換える等

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  2. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  3. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]