トレンドマイクロは3月12日、ウイルス情報を提供している同社Webページが改ざんされ、悪意あるコードが挿入されていたことを発表した。ウイルスをホスティングしているサーバへアクセスするように改ざんされたとみられる。現在、日本向けのウイルス情報ページだけでなく、英語圏向けのページも閉鎖している。
トレンドマイクロによると、この問題の経緯は次のようなものになる。
ウイルス情報を提供するWebページが改ざんされたのは3月11日の19時頃。同社が改ざんの可能性を認識したのが翌12日の10時頃で、以降、可能性を検証して確かに改ざんされていることが判明した結果、12日の11時30分にWebページを閉鎖した。
トレンドマイクロによると、Webページは3月9日の21時頃から改ざんされていたことが判明したとのこと。
攻撃の手法としてはiframeタグの挿入とみられ、同社広報担当者も「イメージとしては(iframeと)同じ。別のサイトに飛ばされるコードが埋め込まれた」ことを明らかにしている。
同社では、日本語のウイルス情報が11件(ページ)、英語が21件(ページ)改ざんされ、悪意あるコードが挿入されたとしている。なお、英語圏向けのページについては現在も調査中で、今後件数が上下する可能性があるとのことだ。
同社は個々のウイルスに関する情報を日本語と英語の2カ国語で提供しており、それぞれ別のWebサーバを立てて運営している。トレンドマイクロの広報担当者は、今回この両方が攻撃されたと語っている。
ホスティングされていたマルウェア「JS_DLOADER.TZE」はダウンローダの1種。このマルウェアをホストしていたサーバについて、同社広報担当者は「IPアドレスからここだろうというのはわかっているが、どこの国から登録されたものかは不明」のためコメントを差し控えたいとしている。なお、IPアドレスそのものについては、「(地域としては)大きく言ってアジア」(同)のものだという。
同社では3月11日から12日にかけて同社のウイルス情報ページにアクセスしたユーザーに、ウイルス対策ソフトや同社オンラインスキャンサービス「トレンド フレックス セキュリティ オンラインスキャン」を利用して、ウイルス検索をするよう呼びかけている。
トレンドマイクロは昨年来、正規のWebサイトを改ざんしてマルウェアに感染させる手法に警戒するよう呼びかけていた。