Microsoftは米国時間4月8日、Windows、Microsoft Office、Internet Explorer(IE)の脆弱性に対処する、5件の「緊急」レベルのセキュリティパッチを公開した。
5件の緊急パッチは、Microsoftが8日にリリースした月例パッチの計8件のセキュリティ情報に含まれる。4月のセキュリティ情報では、計10件の脆弱性がカバーされている。
緊急に分類される5件のパッチのうち、1件は「Microsoft Office Project」の脆弱性を解決するものとなっており、悪意のあるOffice Projectファイルを開くと、攻撃者にユーザーのシステム管理者権限を完全に奪われる脆弱性に対処する。
2件目の緊急パッチは、ユーザーが悪意のあるEMF(Enhanced Metafile)またはWMF(Windows Metafile)画像ファイルを展開すると、攻撃者がリモートで悪意のあるコードを実行可能な、WindowsがGDI(Graphics Device Interface)を扱う際の脆弱性に対処する。2年前、Microsoftは同様の脆弱性への対応を求められ、月例パッチのリリースサイクルとは別に、緊急な対処を余儀なくされたことを、McAfee Avert Labsのセキュリティ調査およびコミュニケーションマネージャーであるDave Marcus氏は思い起こさせた。
このセキュリティ上の脆弱性と、他の2件のIE関連の脆弱性が、緊急パッチの中でも最も重要度が高いと、Marcus氏は語っている。
今回のセキュリティ情報のうち、1件はIE用の累積的なセキュリティ更新プログラムであり、別の1件は「ActiveX Kill Bits」の脆弱性を解決するものである。どちらの脆弱性にも、IEで悪意のあるウェブサイトを訪問すると、悪意のある攻撃者がユーザーのシステム上でリモートでコードを実行可能な危険がある。
Marcus氏は「われわれはウェブ2.0の世界に住んでいる。スパムリンク付きの電子メールを送りつけることが、ますます頻繁に見受けられるようになってきている。(中略)これは、多くの人々のコンピュータを危険にさらさせる上でも効果的な一手段となりつつある」と述べた。
他にMicrosoftは、VBScriptおよびJScriptスクリプトエンジン用の累積的なWindowsパッチを出しており、攻撃者がユーザーのシステムへアクセスして、プログラムをインストールしたり、データの閲覧や変更を行える脆弱性に対処している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ