日本IBMは4月9日、同社がこれまで提供していた「IBM System i」と「IBM System p」の2つのサーバ製品群を1つに統合し、「IBM Power Systems」とすることを発表した。
新しく登場したPower Systemsは、POWER6プロセッサを搭載するサーバ群。OSはIBM AIX、IBM i(旧:i5/OS)、Linuxから選択できる。これにより、System iのOSはi、System pのOSはAIXもしくはLinuxといった縛りはなくなる。System iとSystem pのサポートは今後も続けるが、製品として新たなシリーズは今後登場しない。
サーバ名としての「i」はPower Systemsに統合されるものの、「System iはとても人気の高い製品で、ユーザーコミュニティを無視することはできない」(IBM システムズ&テクノロジー グループ パワーシステムズプラットフォーム ワールドワイドマーケティング&ストラテジー担当 バイスプレジデントのScott Handy氏)として、iという名称を「OSとコミュニティ、POWERベースのハードウェアすべてを指す名称として残す」という。
これまでIBMでは、System i用のOSとしてiを用意し、POWERプロセッサのバージョンが上がるごとにiの名称も「i5/OS」(POWER5用のOS)などと変更していた。しかし、OSの名前が頻繁に変わるのはよくないというコミュニティのフィードバックもあり、System iとSystem pの統合を機にi OSの名称も「IBM i」に統一した。
IBMは、System iとSystem pの統合と同時に、新たにPower Systemsラインアップを4製品発表した。
「IBM Power 595」は、5.0GHzのPOWER6プロセッサと4テラバイトのメモリを搭載し、最大64コアのマルチプロセッシング構成が可能なハイエンドモデルだ。「IBM Power 575」は、独自の水冷方式で冷却効率を高め、並列処理計算ワークロードとアルゴリズム計算に特化したHPC(High Performance Computing)専用モデル。1フレームで最大448個の4.7GHz POWER6プロセッサコアによるクラスター構成と、最大3.5テラバイトのメモリが搭載可能だ。
「IBM Power 550 Express」は最大8コアの3.5GHzまたは4.2GHzのPOWER6プロセッサを搭載するミッドレンジモデルで、「IBM Power 520 Express」は最大4コアの4.2GHz POWER6プロセッサを搭載するエントリーモデルだ。
なお、2007年に発表した「IBM System i 570」と「IBM System p 570」は、今回「IBM Power 570」に名称を変更し、Power Systemsのミッドレンジモデルとして提供していく。