Koeck氏も、「日本の顧客は大変洗練されており、製品だけで満足はしない。色や質へのこだわりのほか、ソリューションやサービスも求められていると強く感じる」と話す。HPは今回開催されたイベントにて、日本で未発表の製品も含め数多くの製品とソリューションを発表したが、これらの製品を順次日本でもリリースし、日本の顧客のニーズに応えたいとした。
レーザーかインクジェットか、それは問題か
今回HPでは、レーザープリンタとインクジェットプリンタの両製品を幅広く発表した。HPのレーザープリンタはキヤノン製のトナーを採用しているため、HPがレーザープリンタの消耗品で利益を出すことはできない。そこで、HPとしてはレーザープリンタよりもインクジェットプリンタに注力したいのではないかという疑問が沸いてくる。
この点についてMorgan氏は、「レーザープリンタもインクジェットプリンタも同じくらいかわいい子供で、どちらに注力したいということはない。両方に注力する」と述べた。どちらの方がHPにとって利益率がいいかについて聞くと、「どちらかの利益率が大幅に大きいとすれば、HPの戦略も変わっていたかもしれないが、両方に注力しているのだから利益率に大差がないことはわかるだろう」(Morgan氏)と述べた。
「両方のテクノロジを今後も推進していくことに変わりはない」とKoeck氏もつけ加える。「顧客は、レーザープリンタかインクジェットプリンタか、という選択はしない。選択の基準は、例えば色や質だけでなく、印刷量や印刷の速さ、コスト、従業員の生産性などさまざまだ。顧客のニーズに合った製品を提供するとなると、レーザープリンタもインクジェットプリンタも両方提供し続ける必要がある」(Koeck氏)
これまでは、どちらかというとインクジェットが中小企業向けというイメージがあったが、大企業にインクジェットが普及することはあるだろうかとの問いに、Dahlgren氏は「インクジェットプリンタの技術はこれからも大きく発展するだろう。これまでインクジェットはレーザープリンタに比べて耐久性がないと思われていたが、技術は発展し、インクジェットも工業用に適した品質になってきた。今後インクジェットの市場はより広がっていくだろう」と述べた。
また、Morgan氏は、「企業向け、個人向けという垣根も取り払っていい。企業向けインクジェットプリンタのOfficejet Proなどは、印刷物の多い家庭にも適した製品だ。すべての製品は、顧客のニーズにどう合うかという視点で提供されるようになる」とした。