米ヤフー、開発者向けプラットフォーム「SearchMonkey」を提供開始

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:中村智恵子、福岡洋一、編集部

2008-05-16 10:45

UPDATE 米Yahooは米国時間5月15日、開発者向けプラットフォーム「SearchMonkey」を正式に提供開始し、同社のインターネット検索をより活気あるものにするための大きな一歩を踏み出した。

SearchMonkey

 SearchMonkeyは検索結果をより高度な形で表示できるようにする技術で、検索の使い勝手も向上することを期待し、Yahooはプログラマーに開発用ツールを提供する。プログラマーはSearchMonkeyを利用することで、検索結果を味気ない文字だけの表示ではなく、より手の込んだ形で提示するアプリケーションを構築できるようになる。Yahooはこの技術が検索事業に利益をもたらすことを望んでいる。

 「どこよりも生産性の高い検索体験にしたい」と、「チーフSearchMonkey」こと、Yahoo Search製品管理ディレクターのAmit Kumar氏は述べた。

 非公開でテストしていたツールの正式提供に加えて、Yahooはプログラマーが自ら開発したSearchMonkeyアプリケーションをテストできる「サンドボックス」を公開し、開発を後押しするために、賞金総額2万ドルのコンテストも発表している。最終的にユーザーは、ギャラリーから希望するSearchMonkeyアプリケーションを選択できるようになる。

 SearchMonkeyは興味深いものだし、数年先を見越してさらに強力で豊かな技術を構築するためにハイテク企業が開発者を引きつけようとするのも、かなり前から行われて効果が実証されている方法だ。しかし、Yahooは深刻な競争にさらされている。特に検索分野ではトップのGoogleにシェアを奪われ続けており、現在米国で行われる検索について3倍以上の差がついている。検索市場のシェア調査を手がけるHitwiseによると、4月に米国で行われた検索のうち67.90%はGoogle(3月は67.25%)で、Yahooは20.28%(3月は20.29%)、Microsoftは6.26%、Ask.comは4.17%だったという。

 Yahooが失った検索シェアを取り戻し、決算の内容に満足していない投資家をなだめるための唯一の手立てがSearchMonkeyというわけではない。Yahooの数多くのウェブ資産を緊密に結びつけ、外部でも利用できるように機能を公開し、自らのアプリケーションを構築したいプログラマーが基盤として使えるようにするために、同社はYahoo Open Strategy(YOS)戦略を進めており、SearchMonkeyはその最初の成果だ。

SearchMonkey適用前と後 SearchMonkey適用前と後
提供:Yahoo

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