アドビのFlash Playerのゼロデイ脆弱性を利用する攻撃が確認される

文:Ryan Naraine(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:石橋啓一郎

2008-05-28 13:36

 マルウェアハンターたちは、これまで未発見だった、未修整のAdobe Flashの脆弱性が悪用されていることを発見した。

 このゼロデイ脆弱性への攻撃は、中国版のMPack攻撃キットに追加されており、この攻撃手法は実際に第三者のサイトに埋め込まれ、攻撃対象をマルウェアが仕込まれたサーバにリダイレクトされている兆候があるという。

 脆弱性の技術的な詳細についてはまだ明らかになっていない。Adobe製品のセキュリティインシデント対応チームは調査を行っている

 SecurityFocusの勧告では、次のように警告している。

 Adobe Flash Playerは未特定の遠隔からのコード実行の脆弱性を持っている。

 攻撃者はこの脆弱性を悪用し、影響を受けたアプリケーションのコンテクストで任意のコードを実行することができる。不成功に終わった攻撃は、サービス拒否の状態を引き起こす可能性が高い。

 Adobe Flash Player 9.0.115.0および9.0.124.0にこの脆弱性がある。他のバージョンにも影響がある可能性がある。

 私は独自に少なくとも2カ所の中国語のウェブサイトに投稿されていた、マルウェアの自動ダウンロードを開始するリダイレクトスクリプトを検証した。この攻撃では、脆弱性のあるコンピュータのFlashのバージョンをチェックし、その結果によって異なる.SWF(shockwave)ファイルを使い、対象マシンの完全な制御を獲得する。

 Adobe FlashはWindowsの生態系に広範に広がっているため、この脅威は非常に深刻だと考えるべきだ。この攻撃がトラフィックの多いウェブサイトに埋め込まれた場合、掃討作戦には相当な時間がかかることも考えられる。

 SANS ISCのページに詳細情報が掲載されている。

 追加情報:継続中の調査によって、この問題はかなり広がっていることが明らかになっている。悪意のあるコードがすでに第三者のドメインに埋め込まれているが(約2万ページ)、これはSQLインジェクション攻撃によって行われたものである可能性が強い。このコードはユーザーを今回の脆弱性を利用する悪質なFlashファイルをホストしているサイトにユーザーをリダイレクトする。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  2. セキュリティ

    サイバー攻撃の“大規模感染”、調査でみえた2024年の脅威動向と課題解決策

  3. セキュリティ

    従業員のセキュリティ教育の成功に役立つ「従業員教育ToDoリスト」10ステップ

  4. セキュリティ

    IoTデバイスや重要インフラを標的としたサイバー攻撃が増加、2023年下半期グローバル脅威レポート

  5. セキュリティ

    急増する工場システムへのサイバー攻撃、現場の課題を解消し実効性あるOTセキュリティを実現するには

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]