eWeekは、NPDの調査に基づき、コンピューティング業界で現在生じている価格差の詳細を伝える、ある興味深い記事を掲載した。NPDの分析結果によると、平均的なWindowsのデスクトップPCの販売価格が、およそ550ドルとなっているのに対して、Appleが販売する平均的なデスクトップPCの価格は、およそ1543ドルとなっている。一方、6月の平均的なWindowsのノートPC販売価格は、およそ700ドルだったのに対して、AppleのノートPCの平均販売価格は、実に1515ドルだった。
ほぼ同等のスペックを有するHewlett-Packard(HP)のノートPCと、Macを搭載したノートブックを比較してみると、Appleは現在、販売するPCの値下げに真剣に取り組んではいるものの、まだまだ改善の余地があると、筆者は強く感じている。
もしちょうど今、HPのホームページ上で「Pavilion dv7t」を購入するならば、Windows Vista Home Premium、2.26GHzのIntel Core 2 Duoプロセッサ、250GバイトのHDD、2GバイトのRAM、256MバイトのNVIDIA GeForce 9200M GSグラフィックカード、17インチのディスプレイを搭載したモデルの販売価格は、わずか1217.99ドルとなっている。
だが、もしMacを選ぶとするならば、2.5GHzのIntel Core 2 Duoプロセッサ、512MBバイトのNVIDIA GeForce 8600M GTグラフィックカード、250GバイトのHDDを搭載する「MacBook Pro」の販売価格は、2799ドルとなる。
さらにこの比較リストは続く。Mac Proは、同等スペックのDellのPCよりも、かなり高額となっている。大胆な低価格設定がなされたiMacを除くと、Appleの販売製品で値引きを期待することは、ほぼ不可能である。
しかしながら、ここでもAppleは、低コストの製品にも高額の価格設定ができる強みがある。結局のところ、Macは、(大きなメリットであるが)Windows Vistaを搭載しておらず、現代のテクノロジ志向の世の中で高い人気を誇るAppleは、どんな製品を作ろうとも、プレミアムがつくことになる。ある意味で靴業界の状況にも似ており、多くの人々が欲しがるブランドであれば、これまで耳にしたこともない企業が販売する製品と比較して、より高い販売価格を設定することが可能である。
そして、この種の不満は、いかなる他の製品も及ばない規模で、Appleに対して唱えられてきたことを、筆者は十分に理解してはいるものの、Appleが、単に製品の販売価格が高すぎるとの理由から、値下げに応じるべきだと主張するつもりはない。むしろ筆者は、Appleが、Microsoftや他のPCベンダーから市場シェアを奪うためには、ぜひともMacの販売価格を下げねばならないと感じている。
Appleが、ここ数年間は、かなりの成功を収めており、コンピューティング事業分野で、大きな市場シェアを獲得してきたとの事実に、まったく疑問の余地はない。とはいえ、まだやるべきことは少なくない。
最新の第2四半期のデータからしても、Appleは、米国内では第3位のコンピュータベンダーの地位を占めるに至ったものの、世界市場では、トップ5にすら入ることができていない。Appleは、Gartnerの予測では、前年比38.1%増、IDCの予測では、前年比31.7%増の成長を記録した。Gartnerは、AppleのPC販売台数が140万台で、8.5%の市場シェアを占めたとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ