謙虚な態度で教える
IT技術者が陥りがちな勘違いとして、誰もが自分と同レベルの技術知識を有していると思ってしまうことがある。これによって、あまり知識のない人々に対して横柄な態度で接してしまうこともあるのだ。あなたがアンゾフの成長マトリックスを知らなかったとしても、マーケティング部門の人たちはあきれた顔をして大きなため息をついたりしないはずだ。要するに、みんなそれぞれに専門知識を有しているのだ。ITリーダーが企業において貴重なリソースとなっているのは、他の人にない知識を有しているためである。しかし、そういった知識を振り回して相手との間に壁を作ってはいけないのである。
これは他者とうまくやっていくというだけの話ではない。これは、あなたが新しいことを行う際に味方になってくれる人々を遠ざけないようにするコミュニケーションスタイルを作り上げていくということなのである。同僚の1人が「理解できない」と言った時、いらいらしてつい横柄な態度をとってしまうかもしれない。しかしそうすることで、あなたからの提案も横柄な態度で一蹴されることになるかもしれないのだ。本記事で採り上げる最後のコミュニケーションスキルは、このことにも関連している。
ラポールを築く
上記の書籍では「要するに人というものは、相手に対して親近感を抱いている場合、疑念を感じることがあったとしても好意的に解釈してくれるのだ」と記されている。あなたが実装したり保守したりするテクノロジを使用するのは人間であるということを忘れてはならない。あなたがこういった人々と話したり、ある種のラポールを築いたりすることを怠るのであれば、素晴らしいチャンスを逃すことになる。私は何も、皆に昼食をおごるように言っているわけではない。人とおしゃべりすることを嫌がったり、避けたりしないようにと言っているだけである。
私はIT関係の出版業界に足を踏み入れる前に2つの会社で働いたことがあり、当時はIT技術者に対して恐怖感を抱いていた。いずれの会社においても、ヘルプデスクの担当者は攻撃的なオーラを発していたためである。そして、私が自分のコンピュータに起こっている問題の内容を的確に表現できないでいると、彼らは私を叱責するかのような口調になるのである。
IT技術者として成功したいというのであれば、こういった態度をとらないようにしなければならない。他部門の人々との間にラポールを築くことは、成功という目標を達成するために必要不可欠なことなのである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ