Rubyのまつもと氏「エンジニアに安住の地がなくなってきている」と警鐘 - (page 2)

大川淳

2008-12-01 17:33

チャレンジしなければ変化はない、箱の中から外に出よう

 まつもと氏は「リスクテイクとチャレンジも重要」と語る。「チャレンジしなければ変化はない。ただし、外の環境の変化を制御できるものではなく、箱の中に留まっていては意味がない。箱の中で安住していればハッピーだった時代は終わった。チャレンジすれば失敗する可能性もあるわけだが、何もせず、ジッとしていることもリスクになりうる」(同)

 最新の技術が次々現れるのはITの世界に限らない。広い分野への知見が求められるエンジニアにとっては、「まだ良く知らない、勉強するのはたいへん、とても余裕はない――などといってはいられない時代になっている。価値を創造することが大事だ。自分自身の価値を創造しないとハッピーなエンジニアにはなれない」(同)という。

ラストマンは大切にされる

楽天技術研究所フェローでネットワーク応用通信研究所フェローのまつもとゆきひろ氏 楽天技術研究所フェローでネットワーク応用通信研究所フェローのまつもとゆきひろ氏

 その具現化のひとつとして、まつもと氏は「ラストマン戦略」を挙げる。

 「ネットワークプログラミング、ウェブフレームワーク、Rubyなど、ある分野で何か聞こうというとき、この人に聞けば一番良いという人がいる。直接教えてくれたり、人を紹介してくれたりする。そんな人は大切にされることになり、ハッピーになれる」(同)

 ラストマンになるためには「コネクションが重要」になる。「本人がすべて知っている必要はない。たとえば、ネットワークプログラミングについて何でも知っている人などいないだろう。要は、ある目的にたどり着くまでの道しるべになれるかどうかだ。どんなキーワードで検索すれば良いか、どのサイトにアクセスすれば良いか、誰に聞けばよいか」。

 これらの要素をできるだけ多くもつには「勉強会などにより人的なコネクションをつくる」ことが大きな強みになる。

オープンソースソフトは人と情報のやり取りやコネクションそのもの

 まつもと氏は「私もRubyをつくり、多くの人々に使ってもらい、さまざまな注文を受け、世界中からフィードバックを得た。すぐれたエンジニア、プログラマーだったわけではなく、コネクションやオープンソースソフトをテコにしてここまできた」と自身の歩みを振り返り、「一歩踏み出すことが必要だ。何かをテコに高いところに登れば、位置エネルギーを引き出せる」と述べた。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]