Seagate Technologyは米国時間1月20日、現在発売中のHDDでコンピュータからHDDを認識できなくなる問題に対応した修正ファームウェアを公開した。しかし、この修正ファームウェアを用いると500GバイトのHDDが機能しなくなるとの指摘が複数のユーザーからあり、同社は公開を停止した。
一連の問題については、2008年11月にSeagateのコミュニティーフォーラムのメンバーが取り上げており、Seagateは今回の修正ファームウェアを提供するまで2カ月近くかかったことになる。
この不具合は、「Seagate Barracuda 7200.11」シリーズのかなりの割合のHDDに影響するだけでなく、「Seagate Barracuda ES.2」のSATA接続モデルおよび「Maxtor DiamondMax 22」のHDDも対象となっている。インターネット上のさまざまなフォーラムは、SD15レビジョンのファームウェアを搭載したHDDの購入を控えるよう警告するメッセージであふれていたが、Seagateの発表によれば、一部の型番のHDDでは、ファームウェアレビジョンがSD16、SD17、SD18、およびSD19でも不具合の影響を受けるという。
SeagateがBarracuda 7200.11シリーズのHDDでファームウェアの問題を引き起こしたのは、今回が初めてではない。SD04とSD14のファームウェアレビジョンでは、利用可能なキャッシュ容量の一部にしかアクセスできなくなるためにパフォーマンスが低下するという問題が発見され、AD14で修正されている。
今回の問題を受けてリリースされたSD1Aファームウェアは、一連の問題の発生防止を目的としたものだが、既に読み込めなくなっていたドライブをアップデートして復活させるのにも成功したと、一部のユーザーはSeagateのフォーラムで報告していた。
だが、Barracuda 7200.11シリーズでも、容量500GバイトのHDDでは、アップデートによってHDDが「塊(brick)と化した」(ハイテク業界の言葉で、製品が使えなくなること)との報告がユーザーからあがっている。
そのため、Seagateはこのファームウェアアップデートを取り下げ、現在は「検証中」だとしている。
米国のユーザーについては、万が一ファームウェアの不具合によってデータが失われてしまった場合、無料のデータ復旧サービスが用意されている。
影響を受けた機種は以下の通り。
HDDタイプ | 型番 | ファームウェアレビジョン |
---|---|---|
Barracuda 7200.11 | ST3500320AS ST3640330AS ST3750330AS ST31000340AS | SD15, SD16, SD17, SD18 |
Barracuda 7200.11 | ST31500341AS ST31000333AS ST3640323AS ST3640623AS ST3320613AS ST3320813AS ST3160813AS | すべて |
Barracuda ES.2 SATA | ST3250310NS ST3500320NS ST3750330NS ST31000340NS | すべて |
DiamondMax 22 | STM3500320AS STM3750330AS STM31000340AS | MX15以上 |
DiamondMax 22 | STM31000334AS STM3320614AS STM3160813AS | すべて |
編集部注(2009年1月26日):本記事の情報は、米国での原稿執筆時点のものです。最新の状況は米国SeagateのKnowledge Baseでご確認いただけます。また、日本法人の日本シーゲイトに問い合わせたところ、本件に関する「日本語での情報も準備中だが、公開時期は現段階では未定」とのことでした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ