独立行政法人情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は2月6日、アプリケーションソフトウェアの脆弱性を狙った攻撃が発生していることから、これらの攻撃の実体の把握と対策を促進するための資料「ソーシャル・エンジニアリングを巧みに利用した攻撃の分析と対策」を公開した。IPAのサイトからダウンロードできる。
ソーシャル・エンジニアリングとは、盗み聞き、盗み見など、人間の心理や行動の隙を突くことで情報を不正に取得する手段の総称。IPAでは2008年4月16日に、IPAセキュリティセンターになりすまして、マルウェアの仕掛けられたファイルが添付されたメールが出回ったことを確認し注意喚起した。この攻撃は、メールの差出人や本文を信憑性の高いものに偽装し、日常的にメールに添付されるPDFファイルにマルウェアを仕掛けたもの。このような場合、メールの受信者が受信したメールから攻撃の存在を推測することは非常に困難であるため、事前の対策および脅威の可視化が重要となる。
今回公開した「ソーシャル・エンジニアリングを巧みに利用した攻撃の分析と対策」(全8ページ)では、このケースと同様の攻撃への対策を促進するため、攻撃の概要、分析結果、対策などをまとめている。IPAでは今後、発生する可能性のある新たな脅威についても調査分析を継続し、対策を発表していくという。
なおIPAでは、このような不審メールの情報収集、および予防・対処方法などの情報提供を目的とした「不審メール110番」相談窓口を設置している。