マカフィーは2月9日、情報経済のセキュリティに関する調査レポート「無防備な経済:重要情報の保護(Unsecured Economies:Protecting Vital Information)」を公表した。マカフィーのサイバーセキュリティに関する専門家会議が検討し、1月29日にスイスのダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会において詳細を発表したもの。
この調査は、米国、英国、ドイツ、日本、中国、インド、ブラジル、ドバイの800人以上のCIOの回答を分析した。調査対象となった企業の推定によると、2008年の知的財産の損失額は合計46億ドル相当で、データ侵害のダメージ修復に約6億ドルが費やされたという。マカフィーではこれらの数字を踏まえ、世界中の企業の2008年の損害は1兆ドルを超えると推定している。
調査回答者の39%は、現在の経済情勢の中で従来以上に重要情報が危険にさらされていると確信していた。また、西欧諸国よりも途上国のほうが知的財産保護に対する意欲が強く、投資額も多額であった。ブラジル、中国、インドは、ドイツ、英国、米国、日本よりも多額の資金をセキュリティに費やしている。なお、中国の回答者の74%、インドの回答者の68%が、競争上優位に立つために自社の知的財産の保護に投資していることがわかった。
サイバー犯罪者の新たなターゲットは知的財産であり、組織的なサイバーマフィアグループによる企業データへの侵入数は増加している。また、財政的に問題を抱えた従業員が、企業データにアクセスして重要情報を盗む事件も増えている。回答者の42%は、解雇した従業員が重要情報に対する最大の脅威であると答えている。