マイクロソフトとレッドハット、仮想化協定を結ぶ

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:菊地千枝子

2009-02-17 12:26

 MicrosoftとRed Hatは、両社の各サーバオペレーティングシステムが、相互のハイバーバイザ上で動作するように保証する協定に署名した。

 MicrosoftのオープンソースブログであるPort 25の記事によると、米国時間2月16日に発表された本協定には、2つの要素が含まれているという。Red HatがMicrosoftのServer Virtualization Validation Program(SVVP)に参加することと、Microsoftが仮想化の相互運用性とサポートについて、Red Hatのパートナーとなることである。MicrosoftのOpen Source Communityでマネージャーを務めるPeter Galli氏によると、Red Hatの認証プロセスが今年完了されれば、MicrosoftはRed Hat Hardware Certificationリストにも追加される予定であるという。

 明確に述べると、今回新たに取り交わされたMicrosoftとRed Hatのパートナーシップは、MicrosoftとNovellが2年前に発表したものとは同じではない。今回はMicrosoftとRed Hatの新協定に特許保護条項は盛り込まれていない。つまりRed Hatは、Microsoftが潜在的な特許侵害について同社を提訴しないことを顧客に保証するという名目で、ライセンス供与することには合意していないという意味である。Red Hat Enterprise Linux(RHEL)のためのサポート証明もMicrosoftが売る予定はない。

 Galli氏によるPort 25ブログでの説明によると::

 「このRed Hatとの合意は、われわれのサーバ仮想化を利用している相互の顧客のための共同技術サポートに特化したものである。したがって、そのような意味では、MicrosoftとNovellのパートナーシップが多次元的であったのに対し、今回の合意は1次元的であると考えてほしい。」

 Red HatはすでにMicrosoftが支援するInteroperability Vendor Allianceに参加しているーーこれはソフトウェアとハードウェアのベンダによるグループで、顧客に代わってMicrosoftのシステムとの相互運用性を改善することにコミットしている。

アップデート:Burton GroupのアナリストであるRichard Jones氏は、16日の協定に対する制限は、Microsoftの製品が、Red HatのXenではゲストとして認証されないという1点であると指摘している。

 「しかし、この勢いにただちに便乗しないでほしい。この発表の時点において得ることができる唯一のサポートは、Windows 2008 Hyper-V上のRHEL 5.2と5.3に限られている。RHEL Xen上ではゲストとしてMicrosoft製品を得ることはできない。これはRed Hatが同社の来るカーネルバーチャルマシン(KVM)ベースのハイパーバイザ製品をSVVPプログラムに提供するためである;Red Hatは今年KVMベースのハイパーバイザ製品を商用提供し始めるのと近い時期に、認証を予期している。Red Hatは同社のXenベースのRHEL 5製品をSVVPプログラムに提供することを予定していない。」

 この新しいMicrosoftとRed Hatの協定についてどう考えますか?これはIT管理者や顧客に対し、いっそうの安心感を与えるだろうか――あるいはその他に何らかの効果(意図していたか否かにかかわらず)を及ぼすと思いますか?

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]