Gartnerが米国時間3月3日夜にリリースした新しい調査リポートによれば、大半がデータ漏えいに起因するものだが、2008年中に何らかの詐欺行為の被害に遭い、金銭的損失を被った米国内の成人男女の割合は、約7.5%に上ることが明らかになった。
約5000人の消費者を対象とした同調査において、これまでにID詐欺犯罪の被害に遭ったことは1度もないという回答者は、70%を占めるに至った。一方で、14%の回答者は、クレジットカード情報を悪用され、何らかの商品の購入や金銭の引き出しに使われた経験があると答えており、デビットカードが悪用されたとの回答者は7%、自分の名前を用いて不正に銀行口座を開設されたことがあるとの回答者は6%、自分の銀行口座から不正に金銭を引き出されたことがあるとの回答者は5%、小切手を偽造されたことがあるとの回答者は4%に上った。
新手の貸付勘定詐欺、小切手の偽造、当座預金口座や貯蓄預金口座関連の不正行為による被害者は、被害額を取り返そうとしない場合もあることから、仲介手数料、クレジットカード、デビットカードの悪用などが絡む犯罪の被害者よりも、失われた金銭を取り戻すのが難しいようだ。
自分の名前を用いて、不正に銀行口座を開設されたことがあるという回答者の中で、35%は信用情報にまで被害が及んだものの、そのほぼ半数が、通常は1カ月未満で、信用情報の回復に成功したと答えている。とはいえ、信用情報を回復するまでに、1年以上を要したとの回答者も、およそ20%に上っており、9%の回答者は、3〜5年の歳月を要したことが、今回の調査で明らかになっている。
また、今回の調査全般で、(ID詐欺犯罪による)被害者が司法機関に届け出たケースは、3分の1を下回っており、米連邦取引委員会(FTC)に報告した被害者は、約5%に過ぎなかった。
多くの被害者が、そのID詐欺犯罪の実態を届け出ないだけでなく、犯罪者が起訴されるに至るケースはそれほど多くない。米司法省に所属する国立司法研究所の「Electronic Crime Program」の報告によれば、2007年に取り扱われた約800件のID詐欺関連の犯罪事件のうち、有罪判決が下されたのはわずかに564件のみであったという。
今回の調査リポートは、「犯罪者が逮捕され、ID詐欺関連の犯罪で有罪とされるケースは実に全体の0.5%未満でしかない」と結んでいる。
もっともなことではあるが、今回の調査では、過去に詐欺犯罪の被害に遭った人がその経験の後、自分の日頃の行動パターンが変化したという回答率は、消費者全体の平均値の約2倍に達している。その多くがよりセキュアなサービスであるとの印象から、「PayPal」の利用を選ぶようになったことも明らかされた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ