VMwareは米国時間4月21日、2009年第2四半期に市販開始を予定しているクラウド対応OS「vSphere 4」を発表した。
VMwareはこの取り組みで、「プライベートクラウド」と呼ばれる仮想化されたデータセンターと、Amazon.comなど数社が提供して成長しつつあるクラウドコンピューティングサービスの橋渡しを試みている。しかし、こうした橋渡しのプロセスは、業界標準が策定されていないため、開発途上にある。VMwareの大きなセールスポイントは、vSphereが企業独自のデータセンターの運用を可能にし、外部のリソースが必要とされる際に企業が橋渡しできるようにするという点だ。
VMwareで製品マーケティング担当ディレクターを務めるJohn Gilmartin氏によると、同社の目標は、大企業がアーキテクチャを作り直すことなくクラウドコンピューティングに移行できるよう支援することだという。
「クラウドをめぐり広く論じられていることと、企業で現在実行されていることの間には、大きな隔たりがある」とGilmartin氏は述べた。VMwareの計画は、クラウドのプロバイダーにvSphere 4を採用してもらい、その後で同OSを使用する企業群をシームレスにつなげていくことだ。
ただし、vSphereを採用した企業が、他社のVMwareベースのクラウドに接続しない場合にどうなるのか、はっきりしたことは分からない。Gilmartin氏は、同社がクラウド間におけるアプリケーションのやり取りについて内々に交渉していると述べたが、こうした標準に関する詳細やスケジュールについては明かさなかった。だが、VMwareがvSphere 4を、MicrosoftのクラウドOS「Azure」および同社の仮想化技術「Hyper-V」への対抗手段と位置づけていることは間違いない。
Gilmartin氏の主張によると、Azureを使うMicrosoftのアプローチは、企業にあまりに多くのアーキテクチャ変更を求めることになるという。同氏はまた、vSphereはより多くのOSをサポートする予定だと指摘した。
そのほか、VMwareが発表したvSphere 4の主な特徴は以下の通りだ。
- アプリケーション統合率の30%向上。
- 仮想マシンのストレージ使用を必要時に限ることで、ストレージ容量を最大50%節約。
- 消費電力および冷却コストを最大20%節約。
- vSphere 4では大規模化への対応が向上し、32台の物理サーバ、最大2048のプロセッサコア、1280の仮想マシン、32テラバイトのRAM、16ペタバイトのストレージ、8000のネットワークポートに対応できる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ