電気自動車のインパクトを考えるときによく言われる疑問がある。今日の老朽化した電力供給網は、電力を大量に消費するバッテリを搭載した電気自動車が数百万台もの規模に増加したとき、対応できるのだろうかということだ。
米エネルギー省のパシフィックノースウェスト国立研究所(PNNL)は米国時間4月30日、車の充電に特化した充電制御技術「Smart Charger Controller」を開発したことを発表した。オフピーク時に利用することで、安価に電力を購入でき、電力供給網への負荷を緩和するという。
2011年には、プラグインで充電するタイプの電気自動車が数多く登場する見込み。これら最新の電気自動車は、燃料効率を改善するはずだ。しかし、夕方6時などのピーク時に、多くの運転手が自分の電気自動車を充電する場合、高い需要に応じるため電力設備に大きな負荷がかかることになるだろう。
PNNLのSmart Charger Controllerによって、他のスマート充電器と同様に、車の所有者は充電を予約できる。これにより、たとえば、障害の際に深夜2時に充電を再開するように予約するようなこともできる。電気料金が時間帯により異なる場合、Smart Charger Controllerは無線ネットワーク規格のZigbeeを利用して価格情報を入手し、最も価格が安い時間に充電する。
PNNLの技術者、Michael Kintner-Meyer氏は声明で、スマート充電技術を利用することで、車の所有者は年間150ドル節約できるだろうと述べている。
研究者らは、スマート充電技術がない場合、電力事業者は電気自動車からの電力需要急増を満たすため、さらに多くの発電所を建設することが必要になるだろうと予想している。General Motorsは、2010年後半にショールームでの展示が予定されている電気自動車「Chevy Volt」の一部として、スマート充電技術の準備を進めている。
PNNLの関係者によると、PNNLはSmart Charger Controllerを企業向けにライセンスする可能性を探っているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ