オラクル、統合性を高めたミドルウェアスイートの新版「Fusion Middleware 11g」を発表

文:Matthew Broersma(ZDNet.co.uk) 翻訳校正:編集部

2009-07-03 12:45

 Oracleが、同社ミドルウェアスイートの次世代版「Oracle Fusion Middleware 11g」を発表した。Oracleによると、この次世代版では統合性が向上しており、利用企業はより簡単にソフトウェア環境を管理できるようになるという。

 「Fusion Middleware」とは、Oracleのメインのデータベース管理およびアプリケーション製品ラインアップに入らないさまざまな製品群(その多くは企業買収によって手に入れたもの)向けの同社のブランド名である。Oracleは米国時間7月1日、Fusion Middlewareの5つのカテゴリ(「Oracle SOA Suite」「Oracle WebLogic Suite」「Oracle WebCenter Suite」「Oracle Identity Management」「Oracle Development Tools for Fusion Middleware」)について、アップデート版となる11gを発表した。

 Oracleの社長であるCharles Phillips氏は、ワシントンD.C.でのローンチイベントにおいて、Fusion Middlewareは、インフラストラクチャを基盤として、データベースレイヤ、ミドルウェアレイヤ、アプリケーションレイヤを順に積み上げた統合スタックを構成する一部であると説明した。

 Oracleの目標は、これらのレイヤをすべて連携させて、完全なスタックを構築することだ、とPhillips氏は述べた。

 Oracleによると、新しい「Oracle SOA Suite 11g」の役割は、開発やセキュリティ、ガバナンスを含むサービス指向型アーキテクチャ(SOA)機能を提供して、プライベートおよびパブリッククラウド上でサービスを構築できるようにすることだという。

 BEA Systemsの買収によって獲得した「WebLogic」アプリケーションサーバをベースとする「Oracle WebLogic Suite 11g」は、より多くのレベルでの自動化を可能にする。新たに追加された機能には、信頼性を向上させる「GridLink for Oracle Real Application Clusters」と「Enterprise Grid Messaging」、スケーラビリティを高める「ActiveCache」などがある。

 「Oracle WebCenter Suite 11g」は、イントラネットやウェブコミュニティーを含むさまざまなタイプのポータルに、ソーシャルネットワーキングや生産性ツールなどのサービスを追加できるようにする、再利用可能なサービスコンポーネントを提供する。このスイートには、ブラウザベースのウェブサイトカスタマイズ用ツール「Oracle Composer」や、あらかじめ構築されたソーシャルネットワーキングサービスである「WebCenter Spaces」などが含まれている。

 Oracleの説明によれば、「Oracle Identity Management 11g」は、統合型ID管理スイートになると同社が説明する初めての製品なのだという。ユニバーサルフェデレーションフレームワークや新しいユーザーインターフェースなどを備える。

 「Oracle Development Tools」は、Oracleの異なった開発ツールを他のスタックと統合する役割を持っており、「Oracle JDeveloper」や「Oracle Application Development Framework」「Oracle TopLink」などが含まれる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ

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