ルールとポリシーがビジネスを変える--日本IBMが語る、SOA/BPM導入の鍵 - (page 2)

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2009-07-08 18:02

がんじがらめのアプリケーションを解放し、柔軟性を与えるBPM

 では、そもそもBPMとは何か。「これまで、さまざまな業務アプリケーションが構築され、それらは縦割りの構造になっているとともに、ルールやポリシー、イベント処理、ビジネス監視機能、ユーザーインターフェースなどが固定化して、がんじがらめになっていた。このような状態では、プロセスの可視化や柔軟な対応が困難になる。そこで、BPMとはビジネス・プロセスの可視化と分析により、現行業務における課題点の洗い出しと原因の特定を行い。基本的に、SOAのソリューションの構造を用いて、アプリケーションを拘束している、これらの要素を外に出して、改善にあたって、どんな技術が有効なのかを判別し、効果のあるところから着手していくこと」(同)だ。

 ここで基盤となるのは、業務の指針となるビジネス・ルールだが、「このようなルールは、業務マニュアル、アプリケーション、プロセスなど、企業内のいろんなところに点在しているので、『ビジネス・ルール管理システム』でこれらを一括管理して、アプリケーションの修正なしに、業務ユーザー自身が管理できるようにすることが重要になる」。

 ある企業の例では、このようなルール管理の手法を、価格付けと収益管理に適用した。多種多様な商品を持つ同企業では従来、価格付けの管理は、価格テーブルを作成し、それまでになかった項目が加わると、データベースを再構築し、関連アプリケーションも手直ししていた。ここでは、数百にも上るルールをアプリケーションのコ−ドに組み込んでいたが、「ビジネス・ルール管理システム」を利用することで、変更への対応が柔軟になり、開発期間が短縮化され、3ヶ月かかっていた大規模な変更は、3日間ですみ、収益結果は目標を20%上回ったほか、CPU、データベースの付加が40%から20%に低下したという。

 次に、SOAを支える発想として、ポリシーの重要性が高くなってきているという。吉田氏によれば「ルールは、ロジックを踏んで、ある結果を出すための流れであり、ポリシーは基本的に、制約条件」となる。「BPMを活用する際、プロセスが多様なニーズに応え、ビジネスにもたらす価値を向上させようとすると、さまざまな条件がつけられ、それがさらに分岐し複雑になっていく。これをポリシーで管理し、プロセス自体はシンプルな形のままにして、ポリシーがさまざまなサービスを呼び出すことができる」。ここでも、ポリシーはプロセスの外部に配置され、ユーザーは変化に対し柔軟に対応することが可能になる。ポリシーは、サービスを管理するためのサービスポリシーと、プロセスを単純化しながら、サービスを呼び出す基軸となるビジネスポリシーに分けられる。

 吉田氏は「SOA/BPMのソリューションを構築するための鍵はまず、ルールであり、これにより、ニーズに応じて柔軟な変更や管理が実現する。ポリシーはプロセスを抽象化し、サービスポリシーは、サービスを再利用するための基礎になる」と述べ、講演を終えた。

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