世界で最もよく使用されているが、苦境に立たされているスマートフォン向けOSを提供するSymbianは米国時間7月16日、アプリケーション配信に向けた同社の試みとしてアプリケーション公開プラットフォーム「Symbian Horizon」を発表した。
Symbianは、以前開発を示唆したことのある同プログラムを、本の出版社やレコード会社に例えている。これは、開発者向けのワンストップショップであり、開発者らはそこで、携帯電話事業者やメーカーが提供する一連の携帯電話用アプリケーションストアにリーチし、見返りとして利益を得る。2009年10月にローンチ予定のHorizonでは、技術的な開発問題や言語翻訳に対する支援も提供される予定である。
英国を拠点とするSymbianは、2008年のNokiaによる買収以降、非営利団体となってSymbian Foundationを設立しており、同プログラムに対し一切課金しない。
唯一の条件は、開発者は本当に良質のアプリを作成する必要があるという点だ。どのアプリが公開に十分に良質であるかは、Symbian Foundationが選定する予定である。
「小規模でスタートし、最初は限られた数のアプリのみを扱う」とSymbianのウェブページには記されている。しかし、同団体はブログ投稿で、「できる限り多くのアプリへの対応に向けてこのプログラムを拡大できるように、この作業を自動化するシステムを開発すること」が目標であると述べている。
これはSymbianにとって、緊急を要する問題である。
Appleはつい先日、同社のApp Storeからの「iPhone」アプリダウンロード件数は15億件に達し、ストアには現在6万5000個のアプリが存在すると発表したが、それと比べて、Symbianとそれを主に支持するNokiaのユーザーらの間では、スマートフォンアプリに対する認知度は格段に低い。
調査企業らによると、Symbianの市場シェアは、2007年の驚異的な70%から、2009年には50%に下落しているという。それでもまだ、Appleのおよそ10%と比べるとずっと多い。
しかし、Symbianによると、スマートフォンの革新的な中心地となりつつある北米におけるSymbianの市場シェアはわずか5%であるという。
競合他社との競争は、厳しい取り組みである。開発者らは多種多様なSymbianの携帯機器(現時点で約70モデル)で動作可能なアプリケーションを開発しなければならないという難しさと、知名度の高いアプリケーションストアがないという点が、ユーザーの関心を引き、開発者を集める上での障害となっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ