McAfeeの社長兼CEO、David DeWalt氏は5月21日に来日した際、「Appleの全ての製品ファミリーに対応するべく作業を進めている」と述べ、iPhoneを含めたApple製品向けにセキュリティ製品を提供することを明らかにしていた。
これらの製品群がどのようなものになるのか。現在来日中のMcAfee プロダクトマネジメント担当シニアバイスプレジデント Brian Foster氏に話を聞いた。
iPhoneの企業採用が進まないのはデータ保護が不十分だから
iPhone向けセキュリティソフトの現状をまとめると、Symantecはバックアップサービスの開発を示唆しており、トレンドマイクロはセキュリティ機能付きブラウザを無償で提供中だ。
先を争うようにiPhone対応を進めるなかで、McAfeeは両社とは異なるアプローチを取った。Foster氏によれば、iPhone向けセキュリティソフトはまずエンタープライズ向けに提供されることになる。
「さまざまな企業と話しているなかで分かったことは、iPhoneの利用を会社として公式に認めているケースが少ないこと。データが暗号化されていると担保できないため、会社として導入することができないのだ」(Foster氏)
Foster氏はこのように述べ、企業でスマートフォンを活用するにはデータ保護が欠かせないとの認識を示している。
「Appleは今後、暗号化のための機能を提供するとしている。McAfeeがこれを後押しすることで、不十分だったデータ保護を克服できる。(これによってiPhoneの)企業採用がすすむのではないか」(Foster氏)
エンタープライズモバイル環境では、個々の携帯電話を管理するためのツールも必要になる。また、データの保護においては、ポリシーの策定や執行も重要になる。
Foster氏はこの点について、「McAfee ePolicy Orchestratorで管理可能になる」と語り、同じコンソールでiPhoneを管理できるようにすることを明言した。
なお、iPhone向けのセキュリティ製品は、価格もリリース時期も「開発中であるため未定」(Foster氏)だが、「今後6カ月から12カ月以内にリリースする予定」(同)だという。また、企業向けに製品をリリースした後、「それほど間を置かずに」(同)コンシューマ版もリリースされる予定だ。