ITの世界では不滅!--よくある誹謗中傷合戦10選

文:Jack Wallen(Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2009-09-01 08:00

 TechRepublicのフォーラムである程度の時間を過ごした経験がある方であれば、ITプロフェッショナルたちによって長年繰り広げられている小競り合いや、個人の信念に基づく罵り合いについてよく知っているはずである。本記事では、ITの世界において最も長く続いている論争を10個紹介する。

 IT業界に長年携わっている読者の方であれば、論争の火種が尽きることはなく、常に激しいやり取りが行われているということを体感しているはずである。それはまるで、スポーツにおけるライバル同士がそれぞれフィールドに陣取っているようなものである。おそらくあなたも過去にこういった論争に参加したことがあるはずだ。そしてそのなかには、完全な勝利を収めようと、未だにこういった論争に深く関わっている人もいることだろう。

 本記事で挙げている論争のなかには、あなた自身が関わってきたものも含まれている可能性が大いにある。もしそうでないのであれば、あなたのお気に入りの煽り文句を教えてほしい。

#1:Linux vs. Windows

 筆者自身の経験から言って、声を大にして主張せずにはいられなくなる「火種」として、これほど大きなものはなかった。1990年代の半ばから後半にかけて、Linux陣営にとっては「世界のOS市場を統一すること」がすべてであり、実際、彼らは臆することなくそういった主張を行っていたのである。当時はどう見てもLinux陣営に勝ち目がなかったため、そういった信条が必要だったのだろう。今でも勝ち目がないと思っている人々は多いものの、現在LinuxはWindowsの独占状態を脅かすまでに成長している--そしてその原動力はApache Webサーバだけではないのである。Linux陣営はLinuxデスクトップによって、ほとんどの競合相手よりも優れたインターフェースやデスクトップの開発技術を有しているという事実を証明してみせた。しかし、Windowsは世界をがっちり掴んで放さないのである。そして、食い込むのが最も難しい(そして最も影響力のある)市場はといえば、エンタープライズ市場なのだ。

 これらの陣営の鬨の声は?Linux陣営の「自由!」に対してWindows陣営は「市場シェア!」である。

#2:Mac vs. PC

 なぜ、Windowsに関係する論争がこれほど多いのかと尋ねられた場合、筆者は「市場シェア!」であると明言するだろう(上記1番を参照のこと)。そしてもちろん、こういった論争にはMacも関係してくるのである。しかも、両者の論争はOSという範疇を越えたものにまでなっている。その火種は、ソフトウェアの機能に関することだけでなく、美的感覚に関することまで広範囲に及んでいるのである。Macの愛好家たちにとって、Macというコンピュータは何らかの作業を行うための道具というだけでなく、自らの机の上や行きつけの喫茶店のテーブルの上でディスプレイされるべき、緻密なまでに洗練された美しい芸術作品でもあるのだ。一方、Mac嫌いにとって、Macは能力不足で、彼らの使うPCほどの機能がないにもかかわらず高価な値札がついたオモチャでしかないのである。

 これらの陣営の鬨の声は?Mac陣営の「iLove my Mac!」に対してPC陣営は「コストは半分!」である。

#3:クラウドコンピューティング vs. ローカルコンピューティング

 IT関連のニュースを読んでいる人であれば誰でも、クラウドコンピューティングについての記事を読んだことがあるだろう。しかし、クラウドコンピューティングはシンクライアントの焼き直しにしか見えないという人も数多くいるはずだ。1990年代にIT業界で働いていた人々であれば、シンクライアントのことをよく覚えているだろう。そういった記憶の大半はあまり良いものではないのである。このため、シンクライアントについての苦々しい思い出を持っている人々は、クラウドコンピューティングに対しても同様の厳しい目を向けるのである。しかし、経費の節減とマシンのより細かい管理への道を模索している大規模エンタープライズのマネージャーにとって、クラウドコンピューティングは福音となる可能性があるのである。この論争は、ITプロフェッショナルと、マネジメントの上層部(クラウドコンピューティングが自社にもたらす可能性に着目している人々)あるいはハードウェアベンダとの間に勃発する可能性が高い。クラウドコンピューティング vs. ローカルコンピューティングとはすなわち、「実際に手を動かす人々」 vs. 「口を動かす人々」ということなのである。

 これらの陣営の鬨の声は?クラウド信奉者たちの「管理の一元化!」に対してクラウド懐疑論者たちの「単一障害点!」である。

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