2008年度国内ITサービス市場、売上高1000億円超のベンダーが昨年より2社減少し12社へ--IDC Japan

ZDNet Japan Staff

2009-09-02 17:23

 IDC Japanは9月2日、2008年度の国内ITサービス市場におけるベンダーの分析結果を発表した。1年前の2007年度にはITサービスの売上高が1000億円を超えたベンダーの数が14社だったが、2008年度は12社へと減少した。

 2007年度に1000億円を超えていたベンダーのうち、新日鉄ソリューションズと大塚商会の売上高が1000億円を下回った。2008年4月にTISとインテックホールディングスの経営統合によって設立されたITホールディングスは、2008年度の国内ITサービスの売上高が2000億円を超えた。

 IDCの調査対象となった主要ベンダーのうち、2008年度に国内ITサービスの売上高が前年比プラス成長となったのは、富士通、NTTデータ、日本ヒューレット・パッカード、伊藤忠テクノソリューションズ、野村総合研究所の5社にとどまった。特に、システム開発などのプロジェクトベースで売上高が減少するベンダーが多く、プロジェクトベースで前年比プラス成長となったのは富士通、NTTデータ、NRIの3社のみとなった。

 これらのベンダーが成長を遂げた理由としてIDCは、プロジェクトベースの売上高を維持しつつ、堅調に推移しているITアウトソーシングを拡大したためと見ている。

 ITベンダーの多くは2009年度にIT関連サービス事業の減収、減益を計画しており、大規模なグループ再編を含む事業構造改革を発表している。

 IDC Japan ITサービスリサーチマネージャーの松本聡氏は、「国内IT市場が低迷する中、ベンダーにとって収益力の強化が重要な経営課題である。クラウドコンピューティングといった新しいサービスの開発も見られるが、市場拡大期とは異なる市場環境であることをベンダーは認識し、成果報酬型サービス契約など抜本的な収益モデルの見直しが重要である」と述べている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]