IBM、「水資源のスマートグリッド」に着手

文:Martin LaMonica(CNET News) 翻訳校正:編集部

2009-09-07 12:24

 IBMは、IT関連の水資源管理技術のポートフォリオを開発中である。同事業は、今後5年以内に合計200億ドルの規模に成長する可能性があると同社は予測している。IBMによると、今週開催される水資源に関するカンファレンスにおいて、IBMとIntelは、どのようにすれば情報と技術を水資源管理の改善に活用することができるかを研究する作業グループを結成する予定であるという。

 その目標は、地球上の水資源でわずか1%しかない実際に利用可能な淡水を、より効率的に使用するために必要となる技術的なアーキテクチャの構想を練ることである。

 水資源システムは、先進国においても旧式のものが使用されていることは広く知られている。一部にはまだ木製のものが使用されているなど、パイプには問題があり、その結果25〜45%の水が失われている。このため、資金不足に悩む市政機関にとって、基本的なインフラの維持がより差し迫った課題である場合が多く、水質を測定するためにセンサを使用するなどといった、ハイテクを用いた手法を採用してもらうのは困難な状況となっている。

 しかしIBMは、一般市民、政府、企業にとって淡水はこれまで以上に貴重なものとなるのではないかと考えている。

 IBMのBig Green Innovationsプログラムの最高技術責任者(CTO)であり、業界団体Water Innovations Allianceの主催によって今週開催されるカンファレンスにIBMを代表して出席するPeter Williams氏は、「開発途上国のほとんどが、利用可能な水資源の量を上回る速度で成長しているという無視できない事実がある」と述べた。「間違いなく、水問題は、眠れる重大な危機であり、今まさにその眠りから目覚めようとしている」(Williams氏)

 IBMは、エネルギー発生の抑制、二酸化炭素排出、データセンターのエネルギー、そして水資源の問題に取り組むために、2年半前にBig Green Innovationsプログラムを立ち上げた。IBMはこの18カ月間、特に水資源に重点を置いてきたとWilliams氏は述べた。同氏は、水資源に関する事業は「きわめて初期の段階にある」とみなしている。

 水利用に関するインフラの改善は、電力網の効率化と再生可能エネルギーのさらなる利用を目的に現在試行されている多くのスマートグリッド技術に似ている。

 水の供給状況に関する情報を収集し処理することにより、水資源当局は業務をより適切に管理することができる。例えば、漏れや汚水あふれなどの問題を特定するためにメーターやセンサを使用することができれば、水資源当局のメンテナンスコストを削減することができると、Williams氏は説明した。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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