大日本印刷(DNP)、デジタル・メディア総合研究所、SCMマイクロシステムズ・ジャパンは9月14日、クラウドコンピューティングを利用してデータを安全に保管するサービスを12月より開始すると発表した。トライアル利用の受付は9月14日より開始する。
同サービスは、DNPが開発した高セキュリティなデータ保管システム「TranC'ertDNA(トランザートディエヌエー)」を利用している。TranC'ertDNAは、デジタルデータを分割し暗号化した上で、複数のサーバに分散して保管するソフトウェア。例えば、あるファイルをA、B、Cの3つに分割し、3台のサーバにそれぞれ「AとB」、「AとC」、「BとC」を保存するため、1台のサーバからデータが漏洩しても元のファイルが復元できないようになっている。一方、1台のサーバが災害やトラブルに見舞われた場合でも、残る2台のサーバが健在であればファイルを復元できる。
これまでは、複数に分割されたデータを保管するためのサーバを利用者自身で設置・運用する必要があったが、今回のサービスではデジタル・メディア総研がクラウドに関する導入コンサルティング等を担当、TranC'ertDNAシステムを利用したサービスの提供が可能となった。
また、SCMマイクロシステムズが開発したTranC'ertDNA搭載のUSB型リーダーライタ「@MAXXTMlite(アットマックスライト)」をパソコンのUSBポートに差し込み、該当するファイルを選択するだけで、TranC'ertDNAを利用できるよう操作性の向上を図った。
DNPはTranC'ertDNAシステムを、またSCMマイクロシステムズは@MAXXTMliteをデジタル・メディア総研に提供し、デジタル・メディア総研がサービスを販売する。サービスの価格は、導入コンサルティング費用や@MAXXTMliteの費用などを含む初期費用が10万円から(税抜き、ほかにSIMカードが必要となる)、月額利用料が2万円から(税抜き)。
販売元となるデジタル・メディア総研は、SI事業者やソリューションプロバイダーなどを代理店として募集し、サービスの普及を進める。販売ターゲットは、各企業や自治体、医療機関などで、2013年までに5億円の売上を目指す。