採用面接に臨むにあたり、担当者に良い印象を与えることに腐心する就職希望者は数多くいる。とは言うものの、面接というものは双方向であるという事実を忘れるべきではない。面接の場では、自らを売り込むだけでなく、その企業が自分に合っているかどうかを見極めるようにもすべきである。そして、こういった疑問に対する答えを得るために面接を利用するべきだ。
しかしこういったことを書くと、「昼休みは何分ですか?」とか「長期休暇として年に何日休めますか?」といった、その企業に関する細かい質問を尋ねるべきだと考えてしまう人もいるかもしれない。確かに長い目で見た場合、このような質問も重要ではあるものの、その答えからあなたと企業の相性を見極めることなどできない。また、この手の質問は面接担当者の心証を悪くするおそれもあるため、採用通知を手にしてからの方が良い。
では、どのような質問をするべきなのだろうか?以下に質問例を3つ挙げている。
この会社での平均的な1日はどのようなものですか?この質問を受けた担当者が、日々の仕事についてあれこれ詳しく語ってくれる場合もあるだろう。その場合には素晴らしい情報を手にできるはずだ。一方、「我が社に平均的な1日というものはありません」という答えが返ってくる場合もあるかもしれない。しかし、それはそれで有益な情報なのだ。毎日決まった仕事を行う方が楽だと考えている人にとっては、その会社が自分に向いていないという手がかりが得られたも同然である。
この会社の企業文化はどういったものでしょうか?とてものんびりしているという答えが返ってくる場合もあれば、みんなバリバリ仕事をしているという答えが返ってくる場合もあるだろう。あるいは、男女比が均衡しており、さまざまな文化が適度に入り交じっているという答えが返ってくるかもしれない。もちろん、担当者が嘘をついているという場合もあるだろう。しかし、あなたに人の顔色を読む力があるのであれば、どのような答えが返ってきてもそれは貴重な情報となるはずである。
今回募集している人材に対して求めていることは何ですか?ここでは「几帳面な人」や「エンドユーザーと技術的な問題についてコミュニケーションを図れる人」といった答えを期待できるはずである。ここで「昼食抜きの日々が続いても気にならない、あるいは24時間いつ呼び出されても構わない人」といった答えが返ってきた場合、入社するかどうかの大きな判断材料を手にしたことになる。また、「美しい髪型と魅力的な笑顔」というような答えが返ってきた場合には、即刻その場から立ち去るべきだろう。
最後に:こういった質問をする際には、余計な台詞を口にしてしまわないように。つまり、「私はいつでも忙しく働いていることが好きです。この会社での平均的な1日はどのようなものですか?」と言ってはいけないということだ。このように質問した場合、あなたが求めている答えのヒントを担当者に対して与えることになり、本当の答えが得られないおそれも出てくる。質問する際には、相手の会社に関することのみに絞り、あなた自身やあなたの意見については口にしない方がよいだろう。それが、客観的な答えを得るための最善の方法である。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ