Cisco Systemsは、さらなるモバイルネットワークへの注力を目指して、およそ29億ドルでStarent Networksを買収する予定である。
米国時間10月13日に発表された今回の買収において、Ciscoはマサチューセッツ州テュークスベリーに本社があるStarent Networksに対して、現金で1株当たり35ドルを支払うほか、多大の株式割当などを行うと見られている。買収の手続きは2010年前半に完了することになっている。
Starent Networksは、サービスプロバイダーのモバイルインフラストラクチャ構築や、2.5G、3G、4G無線ネットワークからパケットコアネットワークへのアクセス管理などをサポートする製品を提供している。同社のテクノロジは、CDMA2000(1X、EV-DO)、UMTS/HSPA、WiMAXネットワークに対応している。
Appleの「iPhone」を始めとするスマートフォンや他のモバイル機器によって、ますますインターネット接続の需要は増大している。Ciscoは、世界のモバイルデータトラフィックが2013年まで毎年2倍以上に増加を続けるとの見通しを示している。
Starent Networksの最高経営責任者(CEO)であるAshraf Dahod氏は声明を出して「ビデオおよびIP分野でのCiscoの強みと、Starent Networksの優れたモバイルインフラストラクチャソリューションを統合することにより、3Gおよび4Gネットワークの携帯電話ユーザーに対して、高品質でリッチなマルチメディアエクスペリエンスを総合的に提供可能なアーキテクチャを整えた魅力あふれる製品ポートフォリオが誕生することになる」と述べた。
Starent Networksは買収手続きの完了後、Ciscoの傘下でDahod氏が率いる新たなMobile Internet Technology Groupとして事業を継続する。
Avian Securitiesは、3Gや4Gネットワークへと移行する携帯電話キャリアの事情も考慮に入れつつ、今回の買収についての好意的な評価を下しており、13日午前に発表された報告には、買収で「これまで18カ月に渡り、それほどCiscoが成功を収められなかったモバイルインフラストラクチャのセクターにおいて力が与えられることになるだろう」と記されている。
さらに、Avian Securitiesのアナリストは「Ciscoのコアネットワーキング製品セグメントにおけるシェア確保の継続を求める意向が反映されており、(Juniper Networks)から(Starent Networks)を奪い取ることにより、コアネットワーキング製品市場でのシェア確保を実現することを、どれほど強くCiscoが望んでいるのかが明らかに示された」と記した報告を出している。
Ciscoは、今回の買収が同社の2010および2011会計年度の売り上げに影響を及ぼすことになるものの、2012会計年度には売り上げの増加につながるとの予測を出している。世界各地に約1000人の従業員を抱えるStarent Networksは、同社の2008会計年度中に、前年比74%増となる2億5410万ドルの売上高を記録した。
すでに今回の買収は、CiscoおよびStarent Networksの双方の取締役会で承認されており、現在は規制当局による審査が待たれている。
Ciscoは10月に入って、ビデオコミュニケーション機器の世界的なサプライヤーであるTandbergを、現金で30億ドルにて買収する方針を発表したところである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ