Mozillaのブラウザ「Firefox」の最新バージョン、そしてアップデートをこれまでよりも頻繁に提供するというFirefoxの新しいプロセスを是非試してみたいという人は、今回リリースされたFirefox 3.6の第1ベータ版を試してみるとよい。
MozillaのFirefox担当ディレクターであるMike Beltzner氏と、MozillaのエバンジェリストであるChris Blizzard氏によれば、新バージョンには以下のような機能が追加されているという。
- ユーザーがブラウザの外観をカスタマイズできるようにする「Personas」機能。Personasは以前よりアドオンとして利用可能だったため、既に多数のPersonasスキンが公開されている。
- ウェブベースJavaScriptプログラムの処理高速化とブラウザレスポンスの向上、起動時間の短縮。Mozillaは何カ月にもわたって、JavaScriptパフォーマンスの向上に取り組んでいるが、「Google Chrome」ブラウザの登場によって、JavaScriptを含めたパフォーマンス改善を早急に実装する必要性が増していた。
- コンピュータからブラウザへファイルをドラッグアンドドロップできる機能。これは、ウェブサイトにファイルをアップロードするときに便利である。今回のベータ版には含まれていないが、正式版ではウェブフォームで複数のファイルを追加できるようにする複数ファイル入力のタグのサポートも搭載される予定で、この機能もウェブサイトへのアップロードを行う際に同様に重宝することになるだろう。
- 位置情報技術のサポート拡張。これによって、緯度と経度による座標だけでなく、ユーザーのおおよその住所もウェブサイトに提供できるようになる。
- 加速度センサをサポートするマシンを対象に、コンピュータ本体の向きを検知できる機能。
- 「HTML5」の「video」タグを使ってウェブページに埋め込まれた動画を、フルスクリーンで閲覧できるようになった。
さらに、Mozillaは開発者がより詳細に知っておくべきFirefoxの変更点について、完全なリストをリリースした。
Firefoxは第2世代のブラウザ戦争において、前衛の役割を果たしている。FirefoxはAppleの「Safari」やGoogle Chrome、「Opera」と競争しているものの、これらのブラウザはすべて、Microsoftの「Internet Explorer(IE)」打倒に向けて、ある意味で同盟関係にもある。IEは最も普及しているブラウザではあるが、一部のタスクの処理が比較的低速で、最近ようやく、ウェブページ標準するようになった。その一方で、IEのライバルたちは、現在開発中のHTML5に含まれる新機能の搭載を積極的に進めている。
Mozillaは正式版を2009年中にリリースし、その後、Firefox 3.7を2010年前半に、そしてFirefox 4.0を約1年後にそれぞれ発表する計画だ。
アップグレードで厄介なことの1つに、Firefoxの機能を拡張するアドオンの互換性が挙げられる。新バージョンのブラウザを導入することによって、いくつかの変化がもたらされるからだ。Mozillaは、Firefox 3.6を3.5ユーザーに自動配信されるマイナーアップデートとしてリリースするべきか、それとも、3.5ユーザーが自分で公式サイトからダウンロードしなければならないメジャーアップデートとしてリリースするべきかについて、現在話し合いを行っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ