「InServシリーズ」などのストレージ製品を提供する3PAR(スリーパー)は11月19日、ストレージの有効活用を実現する「Thinテクノロジー」ソフトの新製品として、「3PAR Thin Conversion」「3PAR Thin Persistence」「3PAR Thin Copy Reclamation」「3PAR Thin Reclamation for Veritas Storage Foundation」の4製品を発表した。
同社では、「ストレージベンダーは実際に必要な容量の2倍以上のストレージを販売し、それが導入コストおよび運用コストの増大を招いていた」と指摘。同社のデータ圧縮技術であるThinテクノロジーを利用することで、導入コストの削減、管理時間の短縮、消費電力の最小化、環境責任への取り組みが可能になるとしている。
これらは、同社のInServストレージサーバにおいて実装されている、独自の「Thin Built Inハードウェア・アーキテクチャ」と、「Thin Engine」と呼ばれるサーバスペース再生利用のための新たな仮想化マッピングエンジンを活用して開発された製品。Thin Built In技術が実装されたすべてのInServストレージサーバに導入できる。
3PAR Thin Conversionを利用すると、レガシーストレージからInServへの移行にあたってデータ容量を削減するため、テラバイト単位でのデータ交換が不要になる。異機種接続環境においても、ストレージ容量の75%を削減できるほか、新たにレガシーストレージを購入するのに比べて、最大60%のコスト削減ができるという。
また、InServが提供する内蔵型「ゼロ検出」機能により、仮想コピースナップショットやリモートコピーボリュームから、未使用スペースの再生利用を可能にしている。InServストレージボリューム内の削除データに起因する未使用スペースの再生利用を可能とすることで、最大60%の容量削減が達成できるという。
また、3PAR Thin Persistenceおよび3PAR Thin Copy Reclamationは、InServストレージサーバのシンボリュームを効率化し、3PAR Thin Conversionおよび3PAR Thin Provisioningの効果を最大化する製品。シンプロビジョニング技術を導入することによる平均容量削減量は約60%だったというが、この新たなソフトウェアを利用することにより、さらに10%多く削減が可能になるという。
一方、3PAR Thin Reclamation for VERITAS Storage Foundationは、シマンテックとの提携によって製品化したもので、ファイル削減に関連したスペースを再生利用するために、ホストファイルシステムとInServとのインテリジェントな通信を可能とする機能などを搭載した製品となっている。
米3PARのワールドワイド・マーケティング副社長であるCraig Nunes氏は、「当社は、クラウドに特化したストレージ企業としては米国で第2位となっている。すべての製品が、クラウド、SaaS、Web 2.0に対応した製品であり、米国金融分野、政府機関などへの導入実績がある」と述べた。
また、「日本では数週間で7つの製品を発表することになり、すでに、マルチサイトのデータリカバリ、サービスレベルでのプロテクション、クラウド全体の柔軟性を実現する製品を発表している。伊藤忠テクノソリューションズ、新日鉄ソリューションズの2社のパートナー企業を通じて展開しており、今後はグリーンITや仮想データセンター分野に注力する。ホスティング、インターネットおよびメディア、公的機関などをターゲットに展開していく考えであり、次の四半期には金融ユーザーへの導入実績を、売上に計上できる」などとした。