独立行政法人 情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)および一般社団法人 JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)は12月9日、Network Time Protocol projectが提供する時刻同期プロトコル「Network Time Protocol(NTP)」にDoS攻撃を受ける脆弱性が存在すると公表した。
NTPでは、「restrict ... noquery」や「restrict ... ignore」の設定による制限をしていないIPアドレスから、不正なmode 7リクエストまたはmode 7エラーレスポンスを受信した場合、mode 7エラーメッセージを返し、ログに記録する。この際、送信元アドレスを詐称したmode 7パケットを受けると、2つのNTPサーバ間でパケットを際限なく往復させてしまうという。
脆弱性が存在するバージョンは、NTP 4.2.4p8より前のバージョン。Network Time Protocol projectでは、これらの脆弱性を解消した最新版を公開しており、該当するユーザーに対してアップデートするよう呼びかけている。なお、(1)NTPの設定で送信元アドレスの制限をする、(2)送信元と宛先の両方を123番ポートに指定しているパケットをフィルタリングする、(3)IPアドレスのアンチスプーフィングフィルタを利用する、という方法により、この脆弱性の影響を軽減できるという。