IDC Japanは1月7日、国内ストレージサービス(Storage as a Service)市場の2008年の売上実績と、2009年から2013年までの予測を発表した。
同社によれば、2008年の国内同市場の売上実績は198億1100万円で、前年比4.8%の成長を達成した。また、2009年も経済環境が厳しい中で市場は成長を継続し、209億4200万円と、前年比5.7%増を見込んでいる。さらに同市場の2008年から2013年までの年平均成長率(CAGR:Compound AnnualGrowth Rate)は6.2%、2013年の市場規模を268億円と予測している。
同社では、Storage as a Service市場の調査対象を「ストレージを販売することなく、その利用だけを提供することで対価を得るサービスビジネス」と定義し、無償提供のサービスを除き、ストレージ利用に対して直接的に対価を得る有料サービスを主に取材している。
現在、この市場をけん引しているのは、ガバナンス、コンプライアンス、リスク管理といった経営課題だという。同社ストレージシステムズリサーチマネージャーの鈴木康介氏は「2009年の堅実な成長を後押ししているのは、セキュリティやガバナンスの強化に対する社会的要請と考えられ、その傾向は企業の業績回復と共にさらに強まる可能性がある」と分析する。
内部統制整備は2009年に第1段階が終了し、上場企業、大企業での整備が進んだ。今後は、その協業先や取引先への依頼、要求が行われると考えられる。その中で、Storage as a Serviceの利用は、中堅中小規模企業がセキュリティ強化やディザスタリカバリ対策を少額の投資で行うための有力な選択肢となるとしている。
また、これまで市場をけん引しながら、企業向けサービスは新規顧客獲得に課題を残しているデータバックアップサービスについても「今後も参入増加が予測されており、中堅中小規模企業のデータ保護、事業継続対策に向けた有力なソリューションとなっていくと考えられる」(鈴木氏)と分析している。