#3:ソーシャルコンピューティングとエンタープライズ2.0の採用における失敗事例が増加する
ソーシャルソフトウェア(TwitterやFacebook、Salesforce Chatter、エンタープライズ2.0、そしてその他の星の数ほどあるコンセプトやサービス)は企業にとってより重要になってきている。このため2010年には、エンタープライズソーシャルコンピューティングというトレンドの勢いがさらに増すことになるだろう。
しかし残念なことに、ソーシャルコンピューティングをデプロイしてみて初めて、その成功は巷で言われているほど簡単ではないという事実に気付く企業も数多く出てくるだろう。つまり、これらの企業はブログやWikiを導入したり、その他のさまざまなソーシャルコンピューティングに取り組むなかで、悲しい事実に気付かされることになるというわけだ:映画『フィールド・オブ・ドリームス』における「それを作れば彼が来る」という「声」の通りにはいかないのである。
ソーシャルコンピューティングの採用における失敗事例は2010年に比べて大きく増えることになるだろう。
#4:ソーシャルCRMの失敗のツケは大きいということを大企業が実感する
ソーシャルCRMの視点から言えば、顧客は重要である--これはもちろん基本的なことであるものの、多くの企業がその当たり前のことを忘れてしまっている。顧客への配慮を怠るとどのようなしっぺ返しを食らうことになるか、2010年には多くの大企業が身をもって学ぶことになるだろう。
YouTubeで大ヒットした『United Breaks Guitars』というミュージックビデオのことを覚えているだろうか?United Airlinesがある男性乗客のギターを壊した後、弁償を拒んだ。このため、その男性は自ら立ち上がり、事件を揶揄したミュージックビデオを作成したわけである。この動画はYouTubeにおいてこれまで700万回近く(!)も視聴されている。
以下がその動画である。楽しむこともできるし、他山の石とすることもできるだろう。
企業はソーシャルCRMを利用することで、顧客からの迅速な反応を得たり、顧客関係を深めたりすることができる。こういったメリットを認め、顧客と真の関係を構築しようと積極的に動く企業は、2010年に成功を収めることになるだろう。
しかし、ソーシャルコンピューティングによって、悪い話もかつてないほどのスピードで広範囲に広まっていくため、ソーシャルCRMに気を配らない企業は、あっという間に評判を落とすという憂き目に遭うだろう。この事実はUnited Airlinesも痛感しているはずだ。
つまり、ソーシャルコンピューティングの成長によって、2010年にはCRMにまつわる失敗のツケが大きくなるということである。