日立製作所は1月28日、グループ全体で活用するため整備してきた半導体設計の「共通設計基盤」の実績とノウハウを基礎に、半導体設計の業務プロセス改革(BPR)を実現する「設計バリューチェーン改革サービス」を体系化し、外部への提供を開始したことを発表した。
設計バリューチェーン改革サービスは、半導体応用製品開発の戦略策定から、設計体制や業務の改革、設計基盤構築と運用、設計技術への支援、教育、設計開発受託までを統合化し、同社がグループ関連会社と協力連携し、関連サービスを総合的に提供するもので「設計改革サービス群」と「設計支援サービス群」の2つで構成される。
設計改革サービス群は、日立製作所が日立コンサルティングと協力して提供し、競争力強化を図り、企業の半導体設計体制、業務を支援する。現状を理想像と比較分析し、改革方針を策定する「設計アセスメント」と、具体化した方針に基づき、設計業務手順や設計開発体制の構築、改善を支援し、最適化と効率の向上を目的とする「設計改革コンサルティング」からなる。
設計支援サービス群は、日立の半導体共通設計基盤を提供、半導体共通設計基盤の活用や運用に必要な技術サービスとともに、技術コンサルティングやスキルアップ支援、環境導入支援、受託サービス、設計資産提供に区分した、技術支援サービスを提供する。
日立製作所は「設計バリューチェーン改革サービスを活用することで、半導体設計環境構築に必要な初期投資を最小化し、段階的な設計体制の構築、設備のオフバランス化を図れる」と説明。日立グループとして2011年3月期に10億円以上の関連受注を見込んでいる。
日立製作所は、2005年4月から自社と自社グループ内の半導体設計環境を統合し、共通の設計基盤を整えた結果、実機デバッグ時の不具合発生を4分の1に低減、設計開発工数の50%削減や設計所要期間の40%短縮などを達成したという。