富士通、ソフト開発の新フレームワーク--既存の資産活用やクラウド化を支援

大川淳

2010-03-11 18:10

 富士通は3月11日、ITシステム構築や保守の開発量の削減、標準化を支援するアプリケーションフレームワーク製品「INTARFRM」(インターファーム)を新たに開発し、4月1日から提供を開始することを発表した。

 INTARFRMは、設計支援機能、開発支援機能、実行機能、保守支援機能などを備えるソフト、ドキュメントなどから構成されるツール群。「ずっと使える」「いつでもどこでも開発できる」「さまざまな条件下で動かせる」「いろいろ選べる」「みんなが使える」――という5つの特徴があるとしている。

 “ずっと使える”は、ソフトウェアのライフサイクルを通じ、当初の方向性が維持、継続されることであり、リポジトリを活用して要件や設計のトレーサビリティを支援する。

 同社の「新要件定義手法」でビジネス目標を実現する要件が漏れなく設計に反映されているかどうかを確認できる。また、設計情報からソースコードやテスト仕様書を自動生成し、ソフトの品質向上、テストの効率化を支援する。要件や設計の変更時、保守改修時に、ソフトに影響が出る個所を容易に判別し、品質向上、影響調査を効率化できるとしている。

図1 INTARFRMはソフトウェアのライフサイクル各段階で活用できる
※クリックすると拡大画像が見られます

 “いつでもどこでも開発できる”は、設計支援機能を提供して、ネット環境での大規模開発や分散開発を実現するというもの。時間と場所の制約を越えた開発環境で設計工程品質の向上と開発期間の大幅な短縮が可能になるという。

 “さまざまな条件下で動かせる”は、オンプレミスとクラウドの両方に対応している点で、開発したアプリケーションを容易にSaaS化が可能になるほか、SOA適用でほかのシステム、富士通やほかのベンダーのクラウド環境上で動作するSaaSとの連携もできるという。

図2 INTARFRMの実行機能は、オンプレミスでもクラウドでも稼働するように支援する

 “いろいろ選べる”は、JavaやVisual C#、Visual Basic、COBOLなど幅広い言語、アーキテクチャに対応することで、同社では「レガシーシステムのCOBOL資産を活かし、表示や入力には最新技術を導入する、モダナイゼーションを可能にする」としている。また、顧客の要件に応じてウェブやRIA(Ajax、Javaアプレット)、スマートクライアントといったアーキテクチャを選択できるという。

 “みんなが使える”は、INTARFRMが累計5万2000ライセンス以上の利用実績をもつ同社グループのノウハウが蓄積されたアプリケーションフレームワーク「QuiQpro」や「eProad」、「Client J Framework」 、「EZDeveloper」などを統合、発展させているということで、企業の情報システム部門やITベンダーがこれらのフレームワークで培ったノウハウを利用できるという。

 税別価格は「INTARFRM Design Facility」、「INTARFRM Development Facility」が10万円、「INTARFRM Runtime」が30万円などとなっている。同社は2011年3月までに順次INTARFRM製品を提供していく予定で、サポートサービスや教育サービスも4月1日から開始、2011年3月末までに5000ライセンスの販売を目標としている。

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