分散管理から本部集約へ--徳洲会、グループ共通会計基盤にSCSのERP採用

富永恭子(ロビンソン)

2010-03-19 07:39

 病院などを経営する一般社団法人の徳洲会は、グループ共通会計システムとして住商情報システム(SCS)が開発する統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「ProActive E2」を採用した。SCSが3月18日に発表した。

 徳洲会グループは36法人で構成され、総合病院や診療所、介護老人保健施設、特別養護老人ホームなどを運営している。今回のグループ共通会計システムは66の病院と200の医療施設に導入される。2011年4月の本番稼働に向けて導入作業を開始している。

 徳洲会では、現在の会計システムについて(1)複数のシステムを混在利用しており、保守作業の負荷が増大、(2)会計データを各法人が分散管理していることで、本部への集約に時間を要する、(3)法人ごとに科目の管理体系が異なることから経営指標データの集計作業が煩雑――といった課題を抱えているとしている。こうした課題から徳洲会は、会計システムの管理運用を本部に集約するグループ共通会計システムが必要と判断している。ProActive E2採用決定のポイントは主に4つあるという。

 1つは、病院経営で重要となる主要業績評価指標(Key Performance Indicator:KPI)を標準機能でカバーできるなど、徳洲会グループの管理会計要件を満たすことに加え、管理メッシュの拡張性があることだ。2つめは、各法人の管理メッシュの統一とデータのリアルタイム集計ができることから、鮮度の高い情報にもとにした迅速な意思決定ができることとしている。

 3つめは、ProActive E2が国内140のグループにグループ統一システム導入実績や成功事例に基づいた導入ノウハウが製品機能に反映されており、各法人の業務で必要となる機能をすべて標準機能として実装していること。4つめは、システムを集中管理することで、機能強化、OSやミドルウェアなどのインフラへの対応といったバージョンアップ時のシステムメンテナンス負荷を大幅に軽減できるといったことだ。

 徳洲会では、リアルタイムに意思決定することが医療法人でも重要な課題と認識しているという。2011年4月に稼働するグループ共通会計システムはデータを一元管理し、リアルタイムにデータ収集できることから、精度の高い意思決定ができるようになり、グループの財務基盤が確立されるとしている。加えて、将来の医療施設増加でも迅速に対応可能となり、業務の平準化による属人化をなくすことで業務効率を改善でき、システム運用での総所有コスト(TCO)も削減できるとしている。

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