NTTデータ、「FINALUNA」のJavaインターフェース仕様とリファレンス実装をOSS化

田中好伸(編集部)

2010-04-16 18:24

 NTTデータは4月16日、金融機関向け情報システム開発のノウハウをまとめたソリューション「FINALUNA」のビジネスロジック記述に特化したJavaインターフェース仕様の「FINALUNA API」と、リファレンス実装「FINALUNAフレームワーク」をオープンソースソフトウェア(OSS)として公開した。

 FINALUNA APIは、ビジネスロジックからハードウェアやミドルウェアなどの影響を極力排除することで、保守効率向上を図り、IT資産価値を守ることを目的にしたJavaのインターフェース仕様。FINALUNAフレームワークは、FINALUNA APIで記述したビジネスロジックを実行するフレームワークのJavaのリファレンス実装。一般的なOSSと異なり、アプリケーションサーバの「WebSphere」「Cosminexus」「Interstage」の各ベンダーと協業して、各種アプリケーションサーバ上で動作確認している。

 FINALUNAフレームワークは、「FINALUNA framework Rich version」と「FINALUNA framework Batch version」が公開される。Rich versionは、XMLとhttpのRESTによるリクエストリプライ方式に対応する。すでにOSS化されている、Javaや.NETに対応するアプリケーション開発基盤の「TERASOLUNAフレームワーク」の「Server Framework for Java」を使用している。Batch versionは、バッチ処理方式に対応する。ジョブの起動方式としてコマンド起動、ジョブスケジューラ起動、Java APIからの起動に対応している。

 今回のOSS化で、NTTデータにシステム開発を発注しないと利用できなかった技術が広く利用できるようになる。開発するシステムにFINALUNA APIとFINALUNAフレームワークを採用することで、アプリケーションサーバベンダーが動作保証するハードウェアやミドルウェア上で、製品に依存しないビジネスロジックを開発できるようになる。

 ソースコードは「Apache License 2.0」で公開。2008年から開設しているNTTデータグループのOSS情報発信サイト「NTTデータグループ・オープンソーススクエア」に掲載される。ソースコードと関連ドキュメントは「SourceForge.jp」からダウンロードできる。

 NTTデータは今後、FINALUNA APIとFINALUNAフレームワークに加えて、対応するアプリケーションサーバの情報交換をオープンにすることでFINALUNAを活用したシステム構築に必要な技術者、FINALUNAを採用するシステムの拡大を図り、2013年にはFINALUNA適用システムの売り上げ200億円を目指す。

 FINALUNAは、2004年に発表した金融機関向け情報システム構築の分野では業界初というソリューション。NTTデータのシステム構築と推奨製品群で構成され、金融機関向け情報系システムの開発生産性を従来よりも20%向上できることが見込まれるという。FINALUNAを全面適用した情報システムは、業務コンポーネントやフレームワーク、アプライアンス、スケールアウト構成を活用して、短期間で高い信頼性とセキュリティを確保したシステムを構築できるという。

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