日本オラクルは7月7日、長崎県佐世保市の医療法人財団白十字会(白十字会)が、同社のビジネスインテリジェンス(BI)製品「Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition Plus」(以下、Oracle BI Suite EE Plus)を活用して医療情報データウェアハウス(DWH)システムを構築し、稼働を開始したと発表した。システムインテグレーションは、新日鉄ソリューションズが担当している。
白十字会は、佐世保中央病院や白十字病院、燿光リハビリテーション病院など長崎県北部と福岡市で多数の医療・介護施設を運営している。同法人では、IT活用による医療の品質向上と効率化の取り組みの一つとして、独自開発した電子カルテシステム「HOMES: Hakujyujikai Organizing Health and Medical Information Enterprising System (ホームズ)」、医事会計システム、オーダリングシステムなど、5つのシステムを連携。各システムに蓄積した情報を有効活用し、医師を始めとする職員の研究支援や病院経営の効率化を目指した。
白十字会では、2008年夏にOracle BI Suite EE Plusの採用を決定。2009年2月に新医療情報DWHシステム「HOMES BI(ホームズ・ビーアイ)」の構築を開始した。採用にあたっては、オラクル製品の豊富な実績や機能に加え、既存システムや新たに構築する「HOMES BI」で利用を予定するオラクルのデータベース製品との連携や運用、保守における高い親和性が評価されたとしている。
白十字会では現在、職種ごとにアクセス権限を設定し、経営企画統括本部など20部門の約150人が新医療情報DWHシステムを活用し、医師の研究支援や患者別や疾患別の原価計算を行っている。今後は法人内の病院、介護施設の予実データの可視化を行っていく予定という。