日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は9月9日、小型で静音性の高いエントリータワー型x86サーバ「HP ProLiant MicroServer」を発表した。
日本HP エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 インダストリースタンダードサーバー事業本部 事業企画部 マネージャーの宮本義敬氏は、IDCの調査結果から「日本では特にエントリータワー型のサーバ市場が活性化している。それは、国土が狭いことや、中小規模企業が多いこと、そして大企業でも現場が主導になって部門ごとにITを導入するケースが多いことが挙げられる」と述べ、この市場で日本HPのシェアをより高めるためにどのような製品が求められているのか、独自でユーザー調査を行ったという。
その結果、「日本のユーザーは、さらに省スペースで静音性が高く、求めやすい価格のサーバを求めていた」と宮本氏。こうした期待に応えて登場したのがProLiant MicroServerだという。
HP ProLiant MicroServerは、高さ26.7cm、幅21cm、奥行き26cmとProLiantシリーズの中では最小で、A4サイズの紙に隠れてしまうほどの大きさだ。稼働時の音は21.4dBAで、「そよ風で木の葉がふれあう音や、時計の秒針と変わらない程度の静けさ」(製品企画部の小川竜司氏)という。メモリ容量は最大8Gバイト、ディスク容量は最大8テラバイトという拡張性を持ちつつも、価格は3万5700円からと安価に抑えている。
小川氏によると、21.4dBAという音のレベルは「サーバ本体の横幅を広げ、ファンを大きくしたからこそ実現できた」という。「他社製品はスリムな形にこだわってファンを大型化できず、高速回転させているため、ここまで静かなサーバが提供できていない。しかし、オフィス内で利用するには静音性が求められるため、あえてこの形にした。実際にはMicroServerを机の上に置いても、モニタよりも小さいため存在感はない。しかも、横幅はあるが高さは抑えたため、重心が安定してスタビライザーも不要だ」(小川氏)
IDCの調査によると、国内のx86サーバ台数市場において日本HPは「四半期ベースで1位になったことはあるものの、年間で1位はまだ獲得していない」(宮本氏)という。今回発表したMicroServerで同社は、活性化するエントリータワー市場にて高いシェアを握り、「2010年こそ日本市場にて年間1位を獲得したい」(宮本氏)としている。
MicroServerは、オンライン販売サイト「HP Directplus/HP Directpartner」専用モデルとして、SOHOおよび企業部門向けに9日より販売を開始する。出荷開始日は14日となる予定だ。