富士通、ヤマトグループの業務システムの一部をプライベートクラウド化

富永恭子(ロビンソン)

2010-09-14 17:03

 ヤマトグループのヤマトシステム開発(YSD)は9月14日、富士通と共同でヤマトグループの業務システムの一部をYSDデータセンターにクラウド環境で構築するプロジェクトを開始したと発表した。

 今回、富士通は、同システムを支える仕組みとして、クラウド技術とICT基盤をYSDに初期費用および従量制の課金で提供する。YSDから富士通に対し、使用量に応じた費用を支払うため、処理のピーク時を考慮したシステム構成で料金を支払う必要がなく、コストを大幅に抑えられるとしている。

 YSDは、ヤマトグループ各社の業務拡張などに伴うシステム対応を、プライベートクラウド上で行うことで、各社の経営スピード加速やビジネスチャレンジを支援していくという。端末の画面から、サーバやストレージ、ネットワークなどのシステム構成を選択するだけで、容易かつ迅速にICTリソースの配備が可能になるという。従来は、構築から運用まで3カ月程度要していた期間を1カ月未満に短縮できるとしている。同様に、システム構築をスモールスタートで行い、効果を見ながら拡張していくような場合にも、資源の追加に要する納期が従来の1カ月程度から5営業日に短縮されるなど、迅速な活用が可能になるという。

 同システムの構築にあたっては、富士通の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」と高信頼性ソフトウェア「PRIMECLUSTER」を採用。ハードウェアから、仮想環境、業務プログラムにわたるICTにおけるすべてのレイヤを3重化し、高信頼性を追求したという。これにより、高信頼なICTリソースを実現するとともに、業務システムだけでなく、開発および運用保守まで幅広い用途に利用することが可能になるとしている。

 YSDでは、2011年6月より、ヤマトグループ2社の一部業務システムを対象にサービスを開始し、順次他グループ会社にも展開する予定という。

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