マンネリ化した自分を「前進」させるための10の方法 - (page 3)

富永恭子(ロビンソン) 2010年11月05日 09時00分

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#7:直感と論理的思考を使い分ける

 多くの場合、論理的思考だけを重視する人は、問題の外から評論的に意見を言う傾向が強い。一方、当事者としてものごとを捉えられる人は、それだけに重心を置かずに直感やひらめきを大切にし、積極的にそれを働かそうとしている人に多い。優秀だといわれるマネージャーやゼネラリストの多くは後者だ。

 人における成長の本質は「変化する環境への適応」の一言に尽きる。直感と論理的思考のどちらかを偏重したり、それに依存することは、人間の適応力や生存力を低下させる。成長する人の特徴は、周囲に強い関心を持ち、自ら関わっていく姿勢を持っていることだ。彼らは、何にでも興味と関心を持ち、体験することをためらわず、よいと思ったことはすぐに実行し、次の瞬間にはそれを取り入れ、自分のものとして活用する。つまり、彼らは、直感と論理的思考をバランスよく使い分けることで、自分の適応性を向上させているといえる。

#8:視野を変えて思考を深める

 時々、「失敗するべくして失敗する」人がいる。問題の兆候が出ているのに、それに全く気がつかず、有効な手を打てずに、それを何度も繰り返す人だ。こういう人は、よく、自分の枠でしかものごとを考えていないとか、これまでの経験から学習していないと責められる。しかしその原因は、意外にもその人の「視野」にあるという。

 1枚の絵を見ても、人によってその印象は違っている。細部が気になる人もいれば、全体の構成が気になる人もいる。もしくはそこに描かれたものの意味や関係性が気になってしかたがないという人もいる。細部が気になる人は、細部に納得がいかないとそのことばかりに執着して、肝心の絵全体を鑑賞するに至らない。一方、全体の構成が気になる人は、細かい部分が多少違っていてもあまり気に止めない。むしろ、全体としての整合性や妥当性があるかどうかが気になってしまう。

 この視野の偏りが失敗を招く原因となる。人の視野や視界は、思考のフレームと密接に連動している。問題となる部分がそのフレームから外れて見えず、考えにくいことから失敗は起こるのだ。全体を俯瞰的に見るべきときに細部にこだわり続けたり、細部を一つずつ確認すべきときに、全体の印象だけでものごとを進めていては、うまくいくはずがない。自分の視野の偏りを自覚し、意識してそれを調整する努力をしてみよう。それができれば、思考は深まり、失敗の繰り返しを避けられるはずだ。

#9:集束力と発散力を複合的に発揮する

 仕事では、問題解決力や課題形成力、創造性、概念形成力などが必要だといわれる。これらの能力は、収束系の能力と発散系の能力が複合的に働くことによって、形成されるという。

 問題解決力の場合、問題が何かを明確にするためのフレームをつくるためには、論理力や推理力などの収束系の能力が必要だ。また、その問題を解決するためには、発想力や発案力などの仮説を作り上げる発散系の能力が必要となる。そして、最後に全体の整合性や有効性を確認するためには、再び収束系の能力が必要になる。

 学生と社会人の能力を比較したデータでは、数理的な収束系能力は学生が高く、アイデアを考案したり、新しい発想をするという発散系能力は、社会人の方が高かったという話を聞いたことがある。それほど、社会では柔軟で臨機応変な適応性が求められるということでもあるのだろう。

 つまり、収束系の能力と発散系の能力を複合的に発揮するためには、変化の渦にもまれなければならないということだ。その渦がなくなれば、人は活性化しない。同様に、人との関わりが少いと、成長の著しい停滞にもつながりかねない。変化という渦に触れてこそ、自分の中の成長スイッチがオンになる。他人と積極的に関わり合うことで、人間は成長するのだ。

#10:自分の失敗を深刻に考えすぎない

 最後に筆者の私見だが、人が成長する最も大きな要因は「なにくそっ!」という思いなのではないだろうか。失敗したって、何度でもチャレンジしてみればいいじゃないかとも思っている。ところが、子どものころからの教育も影響しているのだろうが、私たち日本人はとかく「成功して当たり前」とか「失敗することはたいへん恥ずかしい」という感覚が刷り込まれているように感じる。そして、その感覚を引きずったまま社会に出て、初めて成功することの難しさを知ることになる。同時に失敗への極度な恐れが、不安や完全主義へとつながっていく。

 失敗を恐れてこれを回避し、自己保身に執着していては成長できない。ある意味では、「失敗は当たり前」という感覚を身につけることも必要だ。ベンチャー企業が10年後生き残る確率は10%ほどだという。逆にいえば、残りの90%は失敗しているということになる。それでも諦めない人たちだけが、新しいビジネスを創造し、成功しているのだ。失敗することは、決して恥ずかしいことではなく、「成功に至る過程で、必ず通過しなければならないプロセスである」くらいの気持ちがなければならない。そこで初めて「なにくそ!」の思いが生きてくるのだ。

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