まずネットワークに関しては、3Comの買収によって入手したネットワーク技術IRF(Intelligent Resilient Framework)とHPのバーチャルコネクト技術を組み合わせることで、「Ciscoと従来のサーバの組み合わせより、ケーブル本数とポート数が99%削減できる。また、サーバ故障交換時にネットワーク全体を再設定する必要もなくなる」と山中氏。
また、ストレージに関しては、一般的なサーバとストレージの組み合わせでは不可能なアプリケーション単位での帯域設定が、HPのストレージソフト「Application Performance Extender」により、アプリケーション単位で帯域設定ができたり、帯域の最低値のみを設定することでほかのアプリケーションの帯域が空いている時に全帯域を利用することが可能になるという。
Linuxが安価でUNIXが高価だという固定概念に対しては、「OSのバージョンアップの際にはシステムの作り直しや再テストが発生するが、ミッションクリティカルシステムでは再テストの工数も膨大になる。そのため同一バージョンのOSを長期サポートしてほしいという要望が高いが、HP-UXと商用Linuxの他社長期サポートの一例を比較するとHP-UXを利用した方が大幅に安価となる」と山中氏は説明。「Linuxを否定するわけでは全くない」としながらも、利用シーンは選ぶべきだとした。
サーバ仕様の詳細カスタマイズや、国内公共システムについての固定概念に対しては、東京工業大学のスーパーコンピュータ「TSUBAME2.0」の事例を挙げ、「IOHチップを増設した特別仕様のサーバを準備した。また、このシステムはNECと共同で受注したもの。今後国内パートナーとさらに連携を深め、国内公共システムは国内ベンダーが受注するものだという固定概念を覆したい」と山中氏は述べた。
残り2つの固定概念である無停止システムやデータベースに関する施策については、近日中にも発表予定だという。